苦境に立つ書店…コンビニ併設の“新形態”で利用者の期待に応えられるか ローソンの「マチの本屋さん」北陸初出店 富山県立山町

近年、書籍離れやインターネットの普及などにより次々と閉店に追い込まれている書店。こうした中、ローソンが展開する「マチの本屋さん」が、書店ゼロだった富山県立山町にオープンしました。コンビニ併設の新形態は、町民たちの期待に応えられるのでしょうか。

橋本星奈アナ:
「立山町にオープンしたこちらのコンビニ。初日から大勢の方でにぎわっているんですが、こちらは通常のコンビニ。こちらに目をやると、本がずらーっと並んでいます」

立山町役場の敷地内に26日オープンした「ローソン立山町役場店」。北陸初となる書店併設型のコンビニエンスストアです。

雑誌やコミックに加え、実用書や小説、児童書など7000冊以上を販売。大人から子どもまで、幅広いニーズに合わせた本が置かれています。店内では立山杉を使ったコミュニティースペースや立山町の特産品も販売されています。

この店舗ができたきっかけは、小学生から役場に届いた一通の手紙でした。

立山町企画政策課・中川大輔さん 「9年前に、町の最後の本屋さんが閉店したあとに、子どもたちやいろんな人から本屋がほしいという手紙をいただきまして、町はそれを受けてぜひ本屋を誘致しようと動いてきた」

2015年に「書店ゼロ」となった立山町。立山町だけの問題ではなく書店の閉店は、相次いでいます。

2024年に入り、明文堂書店が富山市内の3店舗を閉じるなど、富山県内ではこの10年で41の書店が姿を消しました。こうした中、立山町は2022年から書店の誘致を進めてきました。

立山町企画政策課・中川大輔さん:
「スーパーも閉店してしまったっていうのがあって、買い物するところと本を買うところの2つ課題として抱えていたところをローソンさんのほうから、こういった書店併設型のコンビニを提案していただいた」

待望の「マチの本屋さん」。オープン初日は朝から、レジ前にはずらーっと行列が。持っているお客さんのかごの中には、食品のほかに、書籍も入れられていました。

40代の男性: 「ずっとほしいなって思ってた、本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りに行く』っていうのを目当てに(来た)。なかなか本屋が町内になかったので、町外に行くことが多かったんですけど、本屋さんができて本に触れる機会が増えてよかった。週2、3回来れそう。毎日通いたくなるようなお店でした」

ローソン・書店併設担当・日下部昇平さん 「全国的にも書店さんが減っていっている中で、歩いていける距離だったり、身近に寄れるところに、リアルの書店がある買い場があるっていうところが、1番大切かなと思います。こういう本がほしいとかこういう品ぞろえにしてほしいみたいなところは、アンケートも準備させていただいているのでお気軽に言っていただいて、それに沿う品ぞろえも今後進めていきたい」

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