早期胃がんのAI診断支援システムを岡山大学と企業が開発し国内初承認 年内事業化へ「ゆくゆくは世界の胃がん患者のために」【岡山】

岡山大学と岡山の企業が、共同研究で早期胃がんの進行具合が診断できるシステムを開発し、先月(3月)、製造・販売について国内で初めての承認が下りました。岡山から世界の胃がん治療の力強い支援システムとして期待されます。

AIによる胃がんの診断です。一般的には医師が胃カメラの写真を10分以上かけて診断しますがAIが画像を読み込み、解析するとわずか1分たらずで進行具合を判定します。2018年から岡山大学と岡山市に本社がある両備システムズが共同で開発したものです。事業に参加するオージー技研が先月、この分野の支援システムの製造・販売では国内で初めて厚生労働大臣の承認を受けました。

がんによる死者数では3番目に多い胃がんですが早期に発見すれば5年の生存率は90%以上です。

AIシステムはこれまで学習したデータなどを参考に診断、結果を医師が内視鏡・開腹手術どちらが適切かの判断材料とします。進行具合を診断する精度は現在、専門医の正診率の72%を上回る約80%でさらにアップデートして90%を目指しています。

(岡山大学実践地域内視鏡学講座 河原祥朗教授)
「日本の内視鏡医は非常に診断能力が優秀なんですけど、世界を見るとまだまだ日本には追いつかない状況なので、そういう世界の患者さんの治療にも役に立てるのではないかと」

AIによる診断支援システム。まずは、国内で年内の事業化に向けて準備を進めていきます。今後、世界の胃がん治療を支援する日も近いかもしれません。

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