中国の医療機関、AI活用した慢性疾患管理の支援図る

中国の医療機関、AI活用した慢性疾患管理の支援図る

22日、難病が疑われる症例を診断する李平教授ら。(深圳=新華社配信)

 【新華社深圳4月26日】中国広東省の深圳市人民医院はこのほど、中日友好医院の中医薬(中国伝統医薬)の高度専門家、李平(り・へい)教授のチームと連携し、中医学と西洋医学を組み合わせた糖尿病や腎臓病の治療を始めるほか、人工知能(AI)などを用いた慢性疾患管理の支援も図っていくと発表した。

 人材育成などの協力メカニズムを共同で構築し、臨床と研究に取り組んでいく。難病の疑いのある場合は複数の専門家が診断。国家遠隔医療・インターネット医学センター糖尿病学専門家委員会の支援の下、糖尿病患者の遠隔診療も行う。

 AI技術に基づき、患者の臨床データや遺伝情報、生理学的指標を分析して迅速かつ正確に糖尿病とその合併症を診断するほか、薬剤スクリーニング技術とバイオインフォマティクス解析を組み合わせることで糖尿病のさまざまな病型や個別化ニーズに合わせた治療薬を開発する。

 糖尿病は生活習慣病とも言われ、家庭での予防と治療が鍵になる。AI技術を用いることで、患者の病状や生活習慣、食習慣に基づき、一人一人に合った治療計画を立て、最善の予防メカニズムを確立し、精密医療と総合的な関与を実現することができる。

 3Dプリント技術とナノテクノロジーの利用も視野に入れる。薬剤を正確に送達できる方法を取り入れることで、中医学と西洋医学を統合した糖尿病予防・治療の水準と能力の向上を図る。(記者/白瑜)

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