神村学園が延長タイブレーク制す 高校日本代表候補の4番正林輝大がサヨナラ打 決勝は明豊との選抜出場校対決【高校野球春季九州大会】

タイブレークの10回2死満塁、サヨナラ打を放ちガッツポーズする神村学園の正林(撮影・穴井友梨)

◆高校野球春季九州大会準決勝 神村学園2×―1唐津商(延長10回タイブレーク)(26日、さがみどりの森)

神村学園(鹿児島)が高校日本代表候補の正林輝大(3年)のサヨナラ打で決勝に進んだ。タイブレークの延長10回表を無失点でしのぐと、直後の攻撃で4番打者が2死満塁から「低い打球を打とうとストレートを打ち返しました」と中前へはじき返した。

唐津商(佐賀)のエース木本夢翔(2年)の緩急をつけた投球にチームは飛球での凡打が続いた。4回に中前打を放った正林も6回と8回は右飛に倒れた。「甘く来た球を打っていい角度で上がったけど、打ち取られてしまった。はまっていました」と明かす。

延長突入時に、小田大介監督に「ホームランを打ちに来たんじゃないぞ。勝ちに来たんだから、低い打球を打て」と言われた。大分との準々決勝も犠飛で1打点を挙げたものの、好機での一本が出ずに無安打に終わった。

「走者が出たら力んで、抑えられてしまっていた」。10回は走者を意識せずに低い打球を打つことに集中して結果を出した。「代表候補合宿から戻ってから、きれいに打とうとしすぎていたが、正林が成長を見せてくれた」。小田監督も主砲の打撃に目を細めた。

故郷佐賀で開催された九州大会で、優勝した2022年春以来の決勝進出。明豊(大分)との決勝は、ともに今春の選抜大会で1勝した実力校対決となった。応援に訪れる地元の人に高校での成長を見せられれば、「凱旋(がいせん)V」の可能性は大きく高まる。(前田泰子)

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