全国初 地下鉄の車内を”リアルタイム監視” 防犯カメラで痴漢や盗撮を見逃さない 福岡市

福岡市地下鉄で、犯罪防止を目的に防犯カメラを使用したリアルタイムでの車内監視が26日から始まりました。

国内の地下鉄では初めての導入です。

1日約50万人が利用する福岡市地下鉄。

その車両内で26日から運用が始まったのが…

◆記者リポート
「設置された防犯カメラです。カラーの映像がリアルタイムでセンターに送られています」

防犯カメラで車内の様子を撮影し、「犯罪の防止」などに役立てます。

3年前、東京の京王線車内で発生した事件。

乗客が胸などを切りつけられた上、火が放たれ、あわせて17人が重軽傷を負いました。

この事件を受け、福岡市地下鉄も警察と連携し、駅などでの警戒を強化。

そして、26日からは車内での「監視の目」を増やそうと、一部の車両で「リアルタイム」で動画撮影する防犯カメラの導入に踏み切りました。

乗客の受け止めはー

◆乗客(女性)
「痴漢があったりした時とか、やっぱり1人じゃ誰にも言えない時などにカメラがあると、(痴漢行為が)映ったりとか、そういう面ではいいかなと思う」

◆乗客(女性)
「友人で痴漢被害にあった子がいるので、防犯カメラがついていると、防犯面では安心かなと思う」

女性から一番多く聞かれたのは、痴漢の抑止に繋がるのではという声。

一方、男性からは、乗客同士のトラブル防止や、万が一、痴漢に間違えられた場合、「無実」を証明する証拠になるのではという意見も聞かれました。

◆乗客(男性)
「証拠になる訳ですよね。(痴漢を)やってなきゃ、やってないって。それは安心な面もあるかも、逆にね」

カメラによる「常時監視」。

気になるのは、乗客のプライバシーの問題ですが…

◆福岡市地下鉄 運転車両部 稲田剛 安全推進課長
「(プライバシーには)十分配慮していまして、暗号化して情報を飛ばすとか、映像は限定した所でしか見られないようにするなど、個人情報保護の観点から内部ルールも含めて守る運用をしています」

福岡市交通局は、車内の映像は市内にある運輸指令室に送られ、防犯に関する目的以外では利用できないとする厳格なルールの下で運用されるとしています。

Q.プライバシーは気になりませんか?
◆乗客(女性)
「そこまで気にならない。携帯の中まで見えるのはちょっと、と思うが、保護フィルムで隠せるから大丈夫かなと」

国内の地下鉄では初となる、防犯カメラによるリアルタイムの監視。

福岡市交通局は今後、防犯カメラを設置する車両を増やし、2027年度までに全ての車両に導入する方針です。

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