空から見た舳倉島…野鳥の楽園も能登半島地震による津波が深刻「早く行って自分の目で見たい」

能登半島地震後の舳倉島(輪島市)渡り鳥の楽園として知られ海女漁が盛んなこの島。しかし今回の地震で大きな被害を受けていた。FNNのヘリコプターから被害の状況を探る。

野鳥の楽園が能登半島地震による津波で…

稲垣真一アナウンサー:
黄砂にけむる日本海前方に見えてきました舳倉島です。FNNのカメラでは地震発生以来、初めてこの舳倉島の様子を撮影するということになります。

石川県輪島市の北、約50キロに浮かぶ、1周約5キロほどの小さな島。それが「舳倉島」だ。世界でも有数の渡り鳥の休息地として知られ、毎年、春になるとバードウォッチングを楽しむ人や釣り人などで賑わっていた。

しかし…

稲垣アナ:
舳倉島の港、漁港の様子をご覧いただいています。この港の周り、いくつもの船が湾の中で身動きが取れない状況になっています。

舳倉島で最も高い地点の標高は12.5メートル。そこに少なくとも2.9メートルの津波が襲った。

稲垣アナ:
こちら津波がかなり島の奥にまで届いている様子を見ることができます。これはおそらく津波によって運ばれてきた船ではないかと思われます。内陸の方まで、港からかなり奥の方まで打ち上げられている状況が見られます。

さらに、島の発電所あたりの被害もかなりひどい。津波によって運ばれたとみられる多くのがれき、木材などが家の周りに散乱していた。

島で8つある神社の内、最も大きい「奥津比咩神社(おきつひめじんじゃ)」。島民が漁の安全祈願を行う場所だが、建物の周りの塀が倒れていた。

稲垣アナ:
ヘリは舳倉島の灯台の西側に位置します市立輪島病院の舳倉島診療所を捉えています。

能登半島地震が起きた元日、島にいたのは3人。この診療所に避難しましたが、電気も水もない状態で孤立。約2週間後、自衛隊によって救出された。

舳倉島で漁をする門木さん夫妻も「想像以上の被害…」

これまで舳倉島の被害状況を確認した住民はほとんどいない。そこで石川テレビは、この映像を舳倉島で海女をしている門木奈津希(かどきなつき)さんと夫で漁師の始(はじめ)さんに見てもらうことにした。

映像を見た門木さん夫婦は「ここに多分ものがいっぱいあったはずだが、全部津波でないわ」と話す。全部、津波で、海に流されたのではないか?と言う。カメラが捉えたのは2人の想像を上回る津波の被害だった。

門木さん:
ここにもゴミがあるということはここまで波が来たってこと?

始さん:
船も打ちあがっとるわ。多分地震自体はこっち(本土)みたいにひどいことはなかったけど津波がこっちは…。

本来ならこの時期はワカメ漁が始まり島が賑わう時期だ。門木さんは「ちらっとは聞いていたけどひどい。とりあえず早く自分の目で見に行きたい」と話す。始さんも「津波でゴミがひどい。とにかく舳倉島にずっといる人たちは早く行って、島に戻りたいという人もいる」と話していた。

門木さん:
みんな戻りたいと言っているし、早く片づけて早く帰れるようにしてあげたいですね、みんなで。

(石川テレビ)

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