2024年春闘で満額回答相次ぐも…「賃上げ」は実現しているのか?経営者の本音は?【岡山・香川】

多くの企業は4月25日が給料日でした。2024年は「賃上げの春」ともいわれ、春闘で満額回答が相次ぎましたが、岡山・香川で賃上げは実現したのか?取材しました。

〇給料上がった
メーカー勤務「上がった。ベースアップ1万~2万。うれしい」
夫が不動産業「上がった 1.2~1.3倍。物価上がっているのでありがたい」

連合がまとめたこの春の平均賃上げ率は5.2%で、33年ぶりに5%を超えました。

■岡山香川は…?

岡山では、ちゅうぎんフィナンシャルグループが平均6%の賃上げを発表。小売業では、早島町に本部を置くハローズが、正社員と嘱託社員を一律3万円ベースアップしました。連合岡山が岡山に本社を置く36社を調べたところ、平均の賃上げ率は4.83%でした。

香川では、百十四銀行が平均4.8%のベースアップ。中には、基本給が最大12%アップするケースもあるということです。

また、JR四国は全ての正社員を月3000円ベースアップしました。これは30年ぶりの水準です。連合香川の調べでは、香川に本社を置く25社の平均賃上げ率は、4.53%でした。

一方、会社の規模別にみると、正社員300人以上の大企業と300人未満の中小企業では、アップ率に開きがあることがわかります。

〇変化なし
夫がドライバー「微妙。あんまり変わらない」

〇給料上がった
IT関係「実感はないが、ちょろっと(上がった)。出ていくお金が物価高の影響で上がっているので、帳尻が合っているのかなと」
運送業「ちょっとだけ(上がった)。(Q:平均5%賃上げと言われているが?)全然。(自分は)違う」

〇変化なし
塗装業経営「個人事業主で従業員1人抱えている。「賃上げ」というが(発注)元からおりてくる金が高ければ賃上げられるが、変わらないので「賃上げ」は難しい。結局こっち(経営側)の負担が増える」

岡山・香川には中小企業が多く、岡山商工会議所の松田久会頭は、賃上げ分を価格転嫁しにくい状況があるといいます。

(岡山商工会議所 松田久会頭)
「電気代が上がったのはみんな知っている周知の事実。ガソリン代が上がったのもエビデンス(証拠)がとれる。でも『これだけ労務費を上げたので、価格に転嫁したい』とはなかなか言えない。価格転嫁と賃上げはワンセット。一斉にやらなければできない」

まだまだ課題の残る2024年の春闘。生活を守るための闘いは続きそうです。

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