「消えない汚点を残した」U-23韓国代表監督が歩んだ“裏切り者→英雄→裏切り者”の波瀾万丈人生を母国メディアが指摘!「A代表の暫定指揮は毒となった」

まさかの敗退劇に韓国サッカー界が揺れている。

現地4月25日、パリ五輪予選を兼ねたU-23アジアカップの準々決勝がカタール・ドーハで開催され、韓国はインドネシアと対戦。退場者が出て10人となりながらも追いつき、2対2で延長戦、PK戦にまでもつれ込んだが、これを10対11で落としてしまう。韓国が五輪出場を逃すのは40年ぶりで、連続出場記録は「9」で止まった。

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当然、韓国のファンやメディアからは怒りの声が続出。やはりチームを率いたファン・ソンホン監督を糾弾する向きが強く、元韓国代表のレジェンドは窮地に立たされている。韓国メディア『イーデイリー』は「1994年に裏切り者となったファン・ソンホンは、2024年にふたたび裏切り者となった」と題した記事を掲載している。

同メディアは「これだけ波瀾万丈のキャリアを歩んだレジェンドもいないだろう」と指摘しつつ、ファン・ソンホン監督の足跡を紹介。1994年アメリカ・ワールドカップで韓国代表は“悲願の初勝利”を目ざした。グループリーグ第3戦となったボリビア戦は過去最大のチャンスだったが、ここで決定機をことごとく外したのが26歳のエースだったファン・ソンホン氏。試合は0-0で終了し、帰国後の同氏を待っていたのは途轍もないバッシングだったという。

それでも、セレッソ大阪や柏レイソルでも活躍したストライカーは8年後にリベンジを果たす。2002年日韓ワールドカップでは母国をベスト4に導く原動力となり、不動の名声を掴んだ。

『イーデイリー』は「ファン・ソンホンは英雄のまま現役を引退し、指導者となってからも順風満帆だった。浦項スティラーズでの手腕が評価され、最高の韓国人監督のひとりと称えられる。そして五輪代表監督に抜擢されたのだ」と説明したうえで、「昨年の杭州アジア大会で金メダルを獲得するなど盤石だったが、今回の大失態は韓国サッカー史に消えない汚点を残した。相手は明らかに格下で負けたことのないインドネシア。衝撃であり、悲劇であり、惨事である」と断じた。

さらに『イーデイリー』は「屈辱的敗退の理由はいくつかあるが、監督が責任を回避することはできない。1994年のワールドカップから30年後、彼はまたしても韓国サッカー界の裏切り者となったのだ。まさに不運の伝説。韓国サッカー界でこれほどの不幸に見舞われたレジェンドはいない」と評した。

ファン・ソンホン監督は今年3月、暫定的にA代表の監督を務めた。更迭されたユルゲン・クリンスマン前監督の穴を埋め、ワールドカップ予選を戦うチームを救うべく承諾したが、五輪代表にとっては最終予選を前にしたきわめて重要な時期でもあった。

この点について『イーデイリー』は「強欲だったと言わざるを得ない。大事な合宿で不在となり、西アジアのチームを視察する機会も逸した。多くの専門家は理不尽だと異を唱えたものの、ファン・ソンホンが聞く耳を持たなかったのだ。結果的にA代表の暫定指揮は毒となった。誰のせいにもできない。なぜなら彼自身が選択したことなのだから」と論じている。

最後に同メディアは「30年前は名誉を挽回するまでに8年を要したが、今回も時間がかかりそうだ。裏切り者から英雄に戻る道を、彼はいかにして模索するのだろうか」との一文で締めくくっている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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