アフリカで前代未聞の珍事…ユニフォーム没収でプレー拒否も、試合は3-0の勝利扱いに

アフリカで前代未聞の珍事が発生したようだ。25日、イギリスメディア『BBC』が驚きをもって報じている。

事件の舞台となったのは、アフリカ各国のクラブが参戦するCAFコンフェデレーションズカップ。アフリカ王者を決めるCAFアフリカチャンピオンズリーグの下位にあたる大会で、欧州サッカー連盟(UEFA)で言うところのヨーロッパリーグ(EL)のような位置付けとなっている。この大会の準決勝ファーストレグにおいて、試合への出場を拒否したチームが3-0の勝利扱いとなる前代未聞の事態が発生した。

USMアルジェ(アルジェリア)とRSベルカンヌ(モロッコ)の顔合わせとなった準決勝は、現地時間21日にUSMアルジェの本拠地でファーストレグが開催された。しかし、RSベルカンヌの選手たちが19日にアルジェリアに入国した際、ファーストレグで着用予定だったユニフォームが税関職員によって没収。これを受け、RSベルカンヌの選手たちは試合開始時間になってもロッカールームに留まり続け、遂にピッチへ姿を現すことはなかったという。

没収理由はユニフォームのデザインとのこと。RSベルカンヌが着用予定だったユニフォームには、西サハラの係争地域を含むモロッコの拡張地図がプリントされており、これをアルジェリアへの政治的挑発と捉えた税関が没収に踏み切ったようだ。なお、RSベルカンはこのデザインが施されたユニフォームをシーズン通して着用しており、過去のアフリカサッカー連盟(CAF)主催の大会でも使用していたようだ。

CAFは25日、準決勝ファーストレグを没収試合とすることを発表。USMアルジェやアルジェリアサッカー連盟(AFF)の対応が不適切だったとして、同試合はRSベルカンヌの3-0での勝利扱いとなった。なお、追加制裁の可能性を検討するため、同事案は懲戒委員会に付託されたとのこと。現地時間28日のセカンドレグは予定通り開催される見込みだという。

アルジェリアとモロッコの両国は長らく緊張関係が続いており、2021年にはアルジェリア政府が国交の断絶を発表している。

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