パラシュート降下訓練6か月連続の実施へ 嘉手納基地司令官が明らかに

嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を繰り返しているアメリカ軍が来月にも再び、訓練を計画していることがわかりました。実施されれば6か月連続となります。
地元・嘉手納町議会ではきょう「5か月連続」での実施に抗議の意見書を全会一致で可決したばかりですが、地元無視の訓練がその日のうちに予告された格好です。

嘉手納基地では、あすから「アメリカンフェスト2024」が開催されるのに合わせ、きょう、第18航空団のエバンス司令官がインタビューに応じました。

このなかで、嘉手納基地でのパラシュート降下訓練について問われたエバンス司令官は、「地元の懸念は認識している」とした一方でこの訓練を来月下旬にも実施する計画を明らかにしました。

第18航空団ニコラス・エバンス司令官
「来月にも訓練を実施するだろう。訓練の頻度は、特殊作戦部隊のジャンパーに必要な資格を維持するための要件に基づいている。訓練は目標地点に着陸できる、安全性の高い熟練の隊員たちが行う」

パラシュート降下訓練は「原則伊江島で実施する」と日米で合意されていますが、アメリカ軍は、伊江島の滑走路の状態が悪いことを理由に去年12月から嘉手納基地で実施していて政府も「例外」として追認しています。しかし来月にも実施されれば6か月連続となり、異例の事態です。

地元嘉手納町議会ではきょう、パラシュート降下訓練の全面禁止を求める意見書案が、全会一致で可決されたばかりでした。

基地対策特別委員会 當山均 委員長
「町民の生命、財産、安全及び平穏な生活を守る立場から、例外措置を盾に常態化する嘉手納基地での米軍パラシュート降下訓練に対し厳重に抗議する」

きょう定例会見を開いた玉城知事も、次のように言及していました。

玉城 知事
「もはや常態化させようとしているのではないかと疑わざるを得ない」

伊江島補助飛行場の滑走路が使用できないことを理由に、嘉手納基地での訓練が続いていることについては。

玉城 知事
「沖縄県からすれば、伊江島補助飛行場の滑走路が整備されるまでは、国外・県外で訓練を実施すべきである」

このように述べ、来月の早い時期に日米両政府に対して、訓練を県外に移転するよう要請したいとの考えを示しました。

こうした県側の要望について、第18航空団のエバンス司令官は「一部の部隊は既にアメリカでも訓練を実施しているが、部隊の運用上、全ての人員を県外で訓練させることは難しい」と説明しました。

© 琉球放送株式会社