円安で日本人値引き “二重価格”に賛否 外国人より1100円お得

26日も多くの外国人観光客でにぎわう東京の築地場外市場。

和牛の串焼きを扱う「築地鉄板焼き 重々」で人気なのが、1本、なんと5500円のフィレ肉の串焼き。

アメリカ人観光客「アメリカでは、こんな安い値段では食べられない」
ルーマニア人観光客「ルーマニアでは、同じもの食べたらもっと高い」
アメリカ人観光客「めちゃくちゃうまい。アメリカよりずっとうまい。アメリカで食べるよりずっと安い」

日本人には高めの価格だが、外国人観光客は気にする様子はない。

財布のひもが緩む理由の1つが、歯止めがかからない円安。

25日、一時1ドル = 155円台まで下落した円が、26日は一時156円台まで下落した。

歴史的円安の影響は、築地に来た日本人観光客にも及んでいる。

都内在住の観光客「おすし(食べた)、高い。円安になっているからしょうがないのかな...」

場外市場で働く人からも、嘆きの声が上がっている。

築地で働く男性「ラーメンも、築地の中で結構高いラーメンがあると耳にした。仕事終わりに甘い物欲しいと思っても、お値段はほかに比べてするものが多い」

こうした中、東京・渋谷区にオープンした海鮮バイキング店は、とあるサービスを始めた。

海鮮バイキング & 浜焼きBBQ 玉手箱・米満尚悟オーナー「通常価格から、日本人の方、もしくは国内在住の方を1000円(税込み1100円)引きでやらせていただきます。地元民割引みたいな感じですね」

外国人観光客は、平日ランチが通常価格である6578円(税込み)。

一方、日本人や在日外国人の場合は5478円(税込み)と、1100円割り引かれる二重価格となっている。

これは学割やシニア割などと同じ仕組みで、日本人や在日外国人が割引されるサービス。

海鮮バイキング & 浜焼きBBQ 玉手箱・米満尚悟オーナー「だいぶ進んでいる円安とか現状から、少しでも海鮮バイキングを楽しんでほしい」

日本の利用客には好評だという、この“日本人割”。

日本人利用客「日本人としてはうれしい。二重価格については、円安だし、お金を使うために日本に来てるならいいんじゃないかなって思います」、「インバウンド価格っていう感じで、仕方がないのかな。自分が旅行行ったらお金使っちゃうなってイメージ。そんなに気にならないのかなって」

しかし、外国人からは不満の声が上がっている。

オーストラリア人観光客「反対、フェアじゃない。自分ならそういう店は選ばない」
在日オランダ人「日本は先進国で(価格差のない)しっかりした高い基準が必要」
イタリア人観光客「それはよくないと思う。すべての人に同じ価格でレストランは提供すべき」

日銀の植田総裁は先ほど、会見で「基調的な物価上昇率に無視しえない影響が発生するならば、金融政策上の考慮や判断材料となる」と述べ、円相場の変動を注意して見ていく考えを示した。

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