町の書店が9年ぶりに復活 立山町

書店がなかった立山町に9年ぶりの店舗です。

町役場の敷地内に26日、書店併設型のコンビニエンスストアがオープンし、早速、多くの買い物客でにぎわいました。

役場庁舎前にオープンしたのは、県内初出店となる書店併設型コンビニエンスストア「LAWSONマチの本屋さん」です。

店舗内の書店部分にはおよそ4000タイトル、7000から7500冊の本が取り揃えられています。

助田紫乃亜記者

「こちらには漫画、そして立山ならではの本、さらには児童書そして文庫本など町民のニーズに応えるラインナップになっています」

オープン初日の26日は朝から多くの住民が訪れ、絵本を眺める親子や早速本を購入する人の姿がみられました。

立山町に住む人

「上市(の本屋)によく行ってたんだけど、ここにたまたま来たらきょうオープンだったから寄ってみました」

助田記者

「 近くに本屋さん出来てどうですか?」

「うれしいですね」

親子連れ

「本屋さんが出来るのは、やっぱりうれしい子どもと一緒に遊べる、行けるところが増えたのがすごいうれしいです」

町には2015年以降、書店がありませんでした。

子どもからは「本屋がほしい」という投書などが寄せられたといいます。

書店の誘致に向け取り組むも出店に至らなかったなか、町はローソン側の提案を受け街役場の敷地内に店舗を建設しました。

町役場の周辺ではスーパーやコンビニエンスストアが相次いで閉店していて、車がない高齢者の買い物支援に繋がることも期待しています。

立山町 企画政策課 中川大輔 係長

「町の中心部でありながら買い物に困っておられる方が非常に多いと聞いておりました。本屋とコンビニエンスストアが併設するという新しい形で整備できたことはよかったと思っています」

店舗内にはコミュニティスペースもあり、町は店舗を町民のふれあいの場にしていきたいとしています。

店舗の営業時間は午前6時から午後10時までです。

(スタジオ記者解説)

上野キャスター

立山町に本屋が誕生した一方、全国では書店の閉店が相次いでいますよね。

助田記者

はい。この10年間で、全国の書店数はおよそ4600店あまり減少し、中でも小規模店が大きく減少しました。書店の数を調査する日本出版インフラセンターによりますと、全国の書店数は3月時点で1万918店で2014年の1万5602店から10年間でおよそ3割減少しました。中でも特に、売り場面積が1坪から49坪の小規模な店舗=いわゆる「まちの書店」は10年前は5598店あったのが、3月時点では3789店と、大きく減少しています。

上野キャスター

県内の状況はどうですか?

助田記者

はい。県内も状況は同じです。最近では県内最大規模の書店や、中心部の好立地にある店舗の閉店が相次いでいます。県内の書店数は2023年12月時点で112店、10年間で41店が減少しました。こうした状況について県書店商業組合の丸田茂事務局長は「インターネットの普及で通販や電子書籍が身近になり、書店に足を運ぶ人が減ったことが大きな要因」としていて、さらに小規模店については、大型店舗の郊外進出による商店街の衰退や後継者不足による影響も大きいのではないかとしています。

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