「怖くて外に出られない」狙われるのはなぜか女性と子ども “凶暴サル”が人口240人の小さな島で大暴れ 襲われて骨折した人も…

愛媛県今治市の小さな離島で、島民がサルに襲われる被害が相次いでいます。足の骨を折る大ケガをして入院した人もいるという島の現状とは…。

人口約240人の小さな島で…

今治港から船で約50分。人口240人ほどの岡村島(おかむらじま)。瀬戸内海の愛媛県と広島県の境目付近に位置し、ミカンなどの果物栽培や漁業が盛んな島です。

しかし、そんなのどかな島の生活が今、サルによって脅かされているのです。

島民 「女性や子どもを見たら襲いかかってくる、怖い」

島民が撮影した映像には、サルが道路沿いを走ったり、ペットの犬にちょっかいを出したりする様子が映っていました。取材を続けると、さらに深刻な現状が分かってきました。

次々と島民を襲うニホンザル

島の状況を教えてくれた、飲食店を営む舩越清忠さん。今年に入り、ニホンザルによる被害が深刻さを増していると話します。

舩越清忠さん 「今年の3月末からサルによるいじわる・人的損害が連続していて、住民にとっても島にとっても大変なことになっている」

つい最近、サルに襲われたと話す女性の両足には、傷跡が生々しく残っています。

被害を受けた女性「この傷はおととい。先週はこっち側やられた」
―――2回引っかかれた?
被害を受けた女性「引っかかれたのは2回じゃない。毎日やられよる」

被害を受けた島民は、このほかにも…

被害を受けた女性
「痛いと思って振り返ったら足元にサルがいた。怖いから外へ出られない。男の人は襲わないが、女性や子どもを見たら襲いかかってくる」

理由はわかりませんが、襲われるのはほとんどが女性。他にも複数の人がサルに引っかかれたほか、中には80代の女性がサルに驚いて転倒し、大腿骨を折って入院したということです。

まさに“やりたい放題”の暴れよう

被害は人間以外にも。住宅の扉に、サルに引っかかれたとみられる傷が残っています。建物の中に入ろうとしたのか、玄関の扉を爪で引っかいて傷をつけたり、網戸を引き破いたりと、やりたい放題です。

そして、我々が取材をしていると…

島民 「いたいた!ほらほら顔が見えた」

カメラの前にサルが現れました。

サルは4年前から突如、島で見られるようになり、現在は親と子あわせて3匹が確認されています。

「男性が行くと隠れる」行政も対応に苦慮

被害を受け今治市も対策に乗り出していて、サルが生息していると思われる付近の神社の境内に罠を仕掛けています。しかし…

今治市の担当者 「サルを誘うためにエサをまいているが、外のだけ食べて中に入らない…」

今も捕獲には至っていません。

島を管轄する今治市関前支所では、捕獲を試みようと職員が網を持ってパトロールをしていますが、対応には苦慮しているようです。

今治市の担当者 「男性が行くと隠れるので…」

住民たちもベランダにネットを張るなど対策をとっていますが、抜本的な解決には至っていません。

舩越清忠さん 「被害者も声をあげていて何とかしてほしい。外に出られない。我々も協力できることは協力させてもらって素早く解決してほしいと願っている」

今治市は捕獲に向け罠を増やす方針で、専門家の意見も聞きながら効果的な設置場所を検討するということです。

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