中国「00後」の自作飛行機、初のテスト飛行に成功 重慶市

中国「00後」の自作飛行機、初のテスト飛行に成功 重慶市

重慶市で自作の飛行機「英豪100」初のテスト飛行を行う李英豪さん。(4月5日撮影、成都=新華社配信)

 【新華社成都4月26日】中国重慶市でこのほど、四川省出身の「00後」(2000年代生まれ)、李英豪(り・えいごう)さんが作った飛行機「英豪100」が最初のテスト飛行に成功した。

 同機は規定に従い風速5メートルの中でのフロートテストを完了し、機体の耐風性や飛行状態、操縦性が確認された。続いてルート飛行テストなどが行われる。

 今回のテスト飛行について李さんは「テスト前の2日間は興奮と緊張で、機体全体を何十回もチェックしてまわり、頭の中では操作のプロセスについて数えきれないくらいシミュレーションをしました。離陸した瞬間は冷静だったが、着陸後はとても興奮しました」と語った。

 李さんは20年に成都航空職業技術学院に入学すると、すぐに飛行機を手作りする計画を立てた。

中国「00後」の自作飛行機、初のテスト飛行に成功 重慶市

重慶市で自作の飛行機「英豪100」初のテスト飛行を行う李英豪さん。(4月5日撮影、成都=新華社配信)

 李さんは図書館で資料を調べ、熟考後、すでに成熟した型式を基に、操縦しやすく比較的安価な単発単座の軽量スポーツ有人機を作ることを決めた。

 大学は李さんに実験室や実践用の設備、機器を提供。李さんは授業や実習以外の休憩や休暇の時間をすべて実験室で過ごし、帰宅の時間を節約するため実験室に寝具も持ち込んだ。

 飛行機の製作は、複雑な体系的プロジェクトであり、計画の評価や実現可能性の判断、原材料の選択、部品の加工・組み立て、地上実験、離陸飛行など多くの側面に及ぶ。李さんは各方面にアドバイスを求めながら一つ一つ学んでいった。

中国「00後」の自作飛行機、初のテスト飛行に成功 重慶市

大学在学期間中、飛行機の研究と製作を行う李英豪さん。(資料写真、成都=新華社配信)

 飛行機の製造には約7万元(1元=約21円)を費やした。家族に多くの費用負担を求めたくなかった李さんはアルバイトで資金を稼いだ。飛行機製造の愛好者が集うチャットグループで自作の部品を販売したり、学校近くの居酒屋の歌手として働いたりもした。

 卒業を前にした23年4月中旬、全長5.4メートル、高さ1.8メートル、理論上の巡航速度時速約100キロメートルの飛行機が完成。同機の製造基準は中国民用航空局(CAAC)の耐空管理文書の技術要件を満たした。

 申請後1年近くを経て、飛行機は「身分証明書」(中国民用航空局航空機耐空審査部門が発行する国籍マークと登記マークおよび同局が発行する実験型特別耐空証明書)を取得した。これにより、関連する耐空飛行テストを完了後、運用要件と使用制限の範囲内での飛行が可能となった。(記者/呉暁頴、劉坤)

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