約280万円「競馬と私物の購入など個人的な支払いに充てた」 議会会派の積立金と、地元自治会費を私的流用 島根・雲南市議が辞職願提出の意向

 雲南市議会の児玉幸久議員(57)=無所属、1期、雲南市大東町下佐世=が、研修や懇親会に使う議会会派の積立金と、地元の自治会費計約280万円を私的流用していたことが26日、分かった。児玉氏は山陰中央新報社の取材に事実関係を認め「競馬と私物の購入など個人的な支払いに充てた」と説明し、30日に議長宛てに議員の辞職願を提出する考えを示した。全額を返済しているという。

 本人や市議会関係者などによると、児玉氏は議員3人で構成する会派「雲南木鶏の会」で会計担当を務め、2023年度に積立金十数万円を私的流用したとしている。会派の所属議員は1人当たり毎月3千円を議員報酬から積み立てていた。

 自治会では22~23年度に会計を担当。23年度に自治会の口座から複数回にわたって数万~十数万円を引き出し、計約270万円を私的に使ったという。

 会派関係者には既に私的流用の事実を伝え、自治会関係者には今月上旬にあった監査会などで説明したという。私的流用分は家族が返済し、会派は現時点で刑事告訴しない方向という。

 児玉氏は「急いで支払わないといけない案件があった。自分で何とかしようと思ったが、そういうわけにもいかなかった。支援者や市民の期待と信頼を裏切る行為をしてしまい、申し訳ない」と述べた。

 児玉氏は20年11月の市議選で初当選した。

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