ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米インフレ思惑で金利差意識

Noriyuki Hirata

[26日 ロイター] - 米国時間26日の外為市場でドルは34年ぶり高水準の157円台に上昇した。日銀がこの日の金融政策決定会合で現状の政策を維持し、植田和男総裁が記者会見で円安に対して踏み込んだ発言をしなかったことで円売り地合いが一段と強まった。米国時間に発表された経済指標を受けてドル高/円安が加速、ドルは157.42円まで上値を伸ばした。

米国の早期利下げ予想が後退する一方、日銀の追加利上げには距離があるとの思惑がある中、日米金利差が意識されてドル高/円安が促されやすい環境になっている。

米商務省が26日発表した3月の個人消費支出(PCE)価格指数は、インフレ率の緩やかな上昇を示し、ドル買いも強まっている。前月比は0.3%上昇、ロイター調査によるエコノミスト予想と一致。2月改定値は0.3%上昇で前月の発表と変わらず。

米連邦準備理事会(FRB)当局者が「スーパーコア」として注目する住宅・エネルギーを除くPCEサービス上昇率は前月比0.4%上昇。2月の0.2%上昇から伸び率が加速した。

政府・日銀による為替介入への市場の警戒感は根強いものの、当局者らによる直近のけん制発言は強まっていないとの見方が市場にはあり、円安基調が継続している。

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