押収車から血の付いたハンマー 暴行に使用か、栃木県警などが捜査 那須2遺体事件

2人の焼損遺体が見つかった遺棄現場。すぐそばに花が手向けられていた=23日午後5時10分、那須町伊王野

 栃木県那須町伊王野の河川敷で16日に男女2人の焼損遺体が見つかった事件で、死体損壊の疑いで逮捕された埼玉県越谷市、建設業の男(25)が実行役とされる2人組に貸した乗用車内から、被害女性の血液が付いたハンマーが見つかっていたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。女性の頭部には複数箇所の骨折があり、栃木県警と警視庁の合同捜査本部はハンマーが事件に使われたとみて調べている。

 遺体で見つかったのは、東京都千代田区、会社役員の男性=当時(55)=と妻で会社役員の女性=同(56)。

 夫妻と実行役とみられる2人組は16日午前0時過ぎに都内の空き家で接触していたことが判明。敷地内のガレージからは血痕が見つかり、女性の血液と一致した。2人組が乗ったとされる黒い乗用車は同午前2時ごろ、空き家付近を走る様子が防犯カメラで確認されており、約2時間の滞在の間に暴行した可能性が高いという。

 また捜査本部が押収した容疑者の男の乗用車の後部座席やトランクからも女性の血痕が発見された。

 夫妻は事件発覚前日の15日夜、物件探しとして知人らと品川区を訪れ、同午後11時半ごろ、ワンボックスカーで出発。実行役とみられる2人組は同日夜に都内のコンビニ駐車場で容疑者の男から車を借り、同11時半ごろに店を出た。それぞれ空き家へ向かったとみられる。

 容疑者の男と実行役とみられる2人組は一緒に酒を飲む関係だったとされる一方、「本名は知らない」などと供述。遺体の処理を指示したとされる知人については「名前は言えない」などと話しているという。

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