北村匠海 朝ドラ初出演「アンパンマン」生みの親やなせたかしさん役 主演・今田美桜とは夫婦役 6度目共演「東リベ」コンビ

 仲良く“アンパンチ”を決める今田美桜(左)と北村匠海(撮影・持木克友)

 俳優の北村匠海(26)が、2025年前期の連続テレビ小説「あんぱん」で、「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩(やない・たかし)を演じることが26日、発表された。都内で会見が行われ、柳井の妻でヒロインの朝田のぶを演じる主演の今田美桜(27)と登壇した。朝ドラ初出演となる北村は、今田と6度目の共演。映画「東京リベンジャーズ」シリーズで恋仲を演じた名コンビが、夫婦役でお茶の間を盛り上げる。

 やなせさん夫婦が逆境を乗り越えながら「アンパンマン」を世に送り出すまでを描く112作目の朝ドラ。注目された「アンパンマン」の生みの親は、北村が演じることとなった。

 朝ドラ初出演。過去には「なつぞら」のオーディションに落選しており「朝という時間に僕の顔は合わないのではないかと思っていたんですけど」と自虐的にソース顔をいじって場を温めた。

 実際のやなせさんが絵本に「アンパンマン」を登場させたのは50代になってから。アニメ化は69歳のことだった。ベレー帽姿で陽気な晩年のイメージが強いが、戦争で親族を亡くし、サラリーマンとして会社を転々、漫画家としても苦難の時期は長かった。

 著書や関連書籍を読み込むなど役作りを進めており、北村は「人としての強さを日々の中で敏感にキャッチして僕も伝えていけたらと思います。やなせさんはアンパンマンだったんだなって。一つの役、作品と向き合い続け、全うすることをしていけたらと思います」と意気込んだ。

 制作統括の倉崎憲氏は、ボーカルとして活動するバンド・DISH//でのMCがキャスティングの決め手になったと説明。「10分後に命を落とすかもしれない。だからこそ、今をどう生きるか」と語りかける姿に、やなせさんの死生観に近いものを感じたという。ヒロイン決定前から北村を念頭に置き、ヒロインオーディションを実施中だった昨秋に話し合いの場を持つなどラブコールを送り続けてきた。

 今秋のクランクイン前には、やなせさんの故郷・高知県にある、お墓やアンパンマンミュージアムを訪れる予定。劇中では少なくとも10代から50代までを演じるという。

 今田とは共演6度目と縁が深い。本作での共演を知る前の1月には仕事先のパリでばったり会ったほどで「縁を感じます。現場でもひまわりのような方。夫婦役をやることで助けてもらう瞬間も数え切れないくらいあると思いますし、すごく安心しました」と信頼を口に。今田も「柔らかく温かく歩んできた2人を描いていけたらと思います」とうなずいていた。

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