【巨人】〝打てる捕手〟大城卓三が迎えた試練 実松コーチ「この野郎!と思うことも大事」

8回のチャンスも捕ゴロに倒れた巨人・大城卓三(右)

試行錯誤の日々が続く――。巨人は26日のDeNA戦(横浜)に2―7で敗戦。20日の広島戦(マツダ)以来、5試合ぶりのスタメンマスクをかぶった大城卓三捕手(31)は4打数無安打に終わり、いいところを見せられなかった。

強固な救援陣が試合終盤で力尽きた。1点リードで迎えた8回に2番手・西舘がマウンドに上がるも、佐野に同点適時二塁打、母校・中大の先輩である牧に適時打を浴びて勝ち越し点を献上。続く船迫、高梨も失点を許しこの回一挙6点を失った。

バッテリーを組んでリードし、久々のフル出場となった大城卓も先発・戸郷を7回1失点に導いたとはいえ、バトンを引き継いだブルペン陣の〝投壊〟に歯止めをかけることはできなかった。そしてこの日も打撃面で、4タコと振るわなかったのは気がかりだ。

昨季は打率2割8分1厘、16本塁打、55打点。キャリアハイの成績を残してベストナインにも輝き、不動の正捕手になったかと思われた。だが今季は26日現在で打率2割2分6厘、0本塁打、2打点と本領を発揮できていない。直近10試合で先発出場は2試合のみ。それぞれ4試合に出場した小林と岸田に、その座を譲る格好となっている。

球界屈指の打撃力を誇るが、現在はもがき苦しむ日々。その「現在地」はどこにあるのか。実松バッテリーコーチは「打撃の調子を上げるのはもちろんだけど、まずは捕手として『ワンランク、ツーランク上げるためにいろんなことを考えてほしい』というところで今は一生懸命やっている」と現状を説明する。

さらには「競争っていう意味では、捕手陣が3人とも高いレベルで競争してくれている。そういうところで、自分の中で『この野郎!』と思うことも大事だし。彼にとっては捕手として、野球選手として、一皮も二皮もむけるためのいい時期なのかなとは思います」と発奮を促した。

当の大城卓本人は自身のコンディション面について「いつも通りですよ、大丈夫です」と強調しつつ「今は他の捕手陣のいいところを盗みながら、その姿を見ていろいろと勉強していっているという感じです」と胸の内を吐露した。

ハイレベルな争いを繰り広げているG捕手陣の中で、あがきながらも進化を果たすことはできるか。

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