「軍艦島(端島)を忘れないで」~亡き妻に贈る 第7話~

朽ちていく建物

まるで圧迫骨折な端島の各棟建物の姿は、

まるで私の今の姿である。

4年前にまったく同じように、私も圧迫骨折していた。

端島の圧迫骨折は誰も支えられない、

放置という手段しかないだろう。

ベルトコンベアー跡

コルセットさえ島の建物には与えられない。

自然の崩壊に身を任すだけかもしれない。

私は今回、第12胸椎圧迫骨折と診断されて、

朽ち始めたX階段

数年前に圧迫骨折の時に使っていた鎧のようなコルセットを

装着しなければならなくなりました。

年齢を重ねると完治に時間が掛かりそうです。

あの時は母さん(妻)が

もう誰も使うことのできない・・・

2週間ごとに車で送り迎えしてくれたな。

母さんありがとうね。

今回、母さんは空から見守っていると思っています。

段々とがれきの山に

今回は誰も支えてくれない姿は

端島の今の姿に似ているかも知れない。

だから私達も空から端島の姿を

見守るしかないのかもしれない。

(つづく)

これまでの寄稿は、こちらから

https://tms-media.jp/contributor/detail/?id=21)

朽ちていく軍艦島

寄稿者 坂本道徳(さかもと・どうとく)

NPO法人

軍艦島を世界遺産にする会 理事長

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