「うちのロゴにも星を」ふくやのアビスパ愛がさらにキラキラ輝くまでのストーリー【記者コラム】

星付きロゴ(2024アビスパ福岡 新年感謝の集い)

アビスパ福岡のユニホームの左胸に星が付いているのをお気づきでしょうか?

ユニホームの星はタイトル獲得数を意味します。アビスパの星は一つ。昨年11月4日、YBCルヴァン・カップ制覇で念願を果たしました。

初タイトル獲得の翌日、アビスパのスポンサー、明太子の「ふくや」SNS担当の「中の人K」さんのもとに川原武浩社長からLINEがきました。「うちのロゴにも星を付けるか、と」。

こちらの川原社長、サッカー界隈では知らない人がいないぐらいの古くからのアビスパサポーターです。

Kさんは東京・国立競技場でアビスパの歓喜を目撃し、翌日も東京に残って余韻に浸っていました。「浮かれた気持ちで福岡に帰って、社長とのLINEのやりとりで現実に引き戻されました」。J参戦28年目の悲願。支えてきたスポンサーも「私たちも星を付けたい」という思いは同じです。ただ、企業ロゴに手を加えるという行為は賛否両論ありそうです。

本気なのか、冗談なのか。真意をはかりかねていると、Kさんのもとに川原社長から、あるURLが送ってきました。「とりあえず、これに出してみようかな」とメッセージが添えられて。

URLは、ルヴァン・カップ優勝記念号として西日本スポーツの紙面を復活させるためのクラウドファンディングを告知するWEBサイト。企業が支援すると紙面にロゴが載せられる仕組みになっていました。

ただ、「博多中州 ふくや」とある文字のどこに付ければいいのか。Kさんは思い悩みます。「博多☆中州」と、つのだ☆ひろさんのようにする案など考えましたがしっくりこない。複数の案の中から選んだのが「や」の空白部分を☆にするアイデア。当時、大人気だったアニメ「推しの子」の、「の」の空白部分に☆が入っているように。サポーターにとっては完璧で究極のアイドルであるアビスパの選手たち。ぴったりの星の位置でした。

年が明け、新シーズンが始まりました。「私たちも星を付けたい!」。アビスパを今季も支援する企業に星付きロゴが広がっていきました。それぞれの企業が工夫をこらしてロゴにつける中、元祖であるふくやのKさんはさらに輪を広げるためにX(旧Twitter)で「みんなで星を付けませんか」と☆の輪を広げることを提案します。

「西スポWEB OTTO!」も「このブームに遅れを取るわけにはいかない」。アビスパ福岡を伝える「毎日アビスパ」コーナーのロゴのみ、「!」の・を☆にしたのでした。「これ以上、星が増えたらどこにつけたらいいのか」。Kさんほかスポンサーはうれしい悩みを抱えることを楽しみにしていることでしょう。(向吉三郎)

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