【レビュー】「LG gram Pro 2in1」なら5つのモードとスタイラスペンで直感的操作の幅が広がる

「LG gram Pro 2in1(16T90SP-MA78J)」 オープン価格(予想実売税込価格340,000円前後)

ライターでありジャーナリストとしても働いている筆者は、仕事現場である記者会見やイベントの取材に必ずノートPCを持参する。日常の用途といえばテキストを作成したり、カメラで撮った写真・動画の簡単な編集、あとは取材も兼ねた音楽・映像コンテンツの視聴がメインだ。

この頃はカメラの性能が向上したことから、扱う写真ファイルのサイズが大きくなっている。撮影した写真に少し気を利かせて色味を調整したり、動画は尺を整えて納品する機会も増えていることから、写真や動画ファイルの編集用としてもできるだけハイスペックなPCが必要だ。さらに生成AI機能を搭載するアプリケーションを快適に使える環境が手もとにあれば、単純だけれど時間を取られるルーチン作業を簡略化して、仕事がより手早くこなせる。

そんな筆者のビジネススタイルにも寄り添ってくれる、LGエレクトロニクスが発売した最新の”AI PC”である「LG gram 2in1」の16インチモデルの実機レビューを、本稿でお届けしたい。

LG gram Pro 2in1を外出先でも使用。タブレットスタイルでも使いやすい## 持ち歩いていることを忘れるほど軽くてスリム

LG gram Pro 2in1は、同社の2023年モデルの「LG gram SuperSlim」の薄型軽量デザインを採用したハイエンドモデルのひとつだ。質量が1,399g、突起部を除く本体の厚みが12.9mm。とかく15インチを超えるノートPCにまとわりつく「重い…」という先入観を、LG gram Pro 2in1は手にした途端に払拭してくれた。

本体がとてもスリムなので、筆者がいつもノートPCを入れているバックパックのパソコン用スリットに気持ちよく収まる。バッグを背負う時に毎度パソコンを入れ忘れていないか、スリットの中を2度見・3度見してしまうほど、本当に軽いのだ。

16インチの大画面ながら外に持ち出しやすく、使用する際もストレスがない

さらに本体は米国国防総省の調達基準であるMIL規格に準拠するテスト7項目をクリアした堅牢性能を備えている。ダークカラーの筐体なのに指紋が目立ちにくく、いつもキレイなまま持ち歩けるところもいい。接続端子は、ボディ側面にHDMI×1基、USB Type-C×2基、USB Type-A×2基、ステレオミニ×1基を装備。USB Type-Cは最大40GbpsのThunderbolt4対応で、接続性も優秀だ。

ボディ左側の側面にHDMI、USB Type-Cの接続端子を装備

ボディ右側の側面にUSB Type-A、ステレオミニの接続端子を備える## ストレスフリーなハイスペック。AI処理も素速くこなす

本モデルには、最新の「インテル® Core™ Ultra プロセッサー」が搭載されている。このインテルによるPC向けSoCの中核ラインナップは、AIに関わるタスク処理に特化する「NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)」を実装したことが最大の特徴だ。クラウド側での処理に依存することなく、エッジデバイス(=ノートPC)が搭載するプロセッサーの側で高度なAI処理がより素速く、そしてセキュアに実行される。

「インテル® Core™ 7 Ultra プロセッサー 155H」を搭載

Windows 11に標準搭載される「Windows Studio Effect」はビデオ会議等に参加するユーザーの映像・音声を高品位に整えたり、背景ぼかしなどの効果を加えるツールセットだ。いくつかの機能に関わる映像・音声のAI処理はエッジデバイス側で行われるが、インテル® Core™ Ultra プロセッサーのNPUがこれを素速くこなす。ストレスフリーな操作感だ。

以下はクラウド側の処理になるが、アドビの写真編集アプリケーションである「Adobe Photoshop」の「生成塗りつぶし」や、「Microsoft Copilot Pro」を使ったWordファイルの文書要約なども、本モデルによるよる使い心地は迅速で安定している。これからの時代、AI PCが仕事やその他のクリエイティブな用途に欠かせないアイテムになることを筆者もリアルに実感した。

タブレットモードとスタイラスペンで直感的操作

LG gram 2in1は、縦方向に余裕のあるアスペクト比16対10、解像度2,560×1,600(WQXGA)の16インチIPS液晶ディスプレイはタッチ操作に対応する。

通常のラップトップモード

ヒンジ部分から360度回転するパネルをキーボード側と”背中合わせ”にすると、まるで16インチの大きなタブレットのように使える。本体に付属する専用の「LG Stylus Pen」による入力はレスポンスが小気味よく精度も高い。Photoshopで写真の色補正を行う作業は、スタイラスペンでトーンカーブを動かして、画面上で変化を見ながら色合いを直感的に決められる。

キーボードを背面に回したタブレットモード

「LG Stylus Pen」でクリエイティブな操作も直感的にできる

16インチの大画面で、Photoshopのようなクリエイター向けアプリケーションが快適に動くタブレットはほかにないと思う。イラストレーターやデザイナーにも”持ち運べるクリエイティブ・ワークステーション”として本機を勧めたい。

筆者はいつも原稿を執筆する際、最初にタブレットで草案を手書きして頭の中を整理する。その後に手稿を見ながらPCでテキストをタイピングして完成させる手順をとっている。LG gram 2in1なら1台でこの作業が完結するだろう。

スタイラスペンはタブレットモードと相性抜群## スタンド/テントモードは動画視聴やビデオ会議が快適

2in1仕様であることが様々な用途・場面に活きてくる。ヒンジの角度を自在に調整して、大きなディスプレイを立てて使うスタンドモード/テントモードは動画視聴やビデオ会議などの用途に最適だ。

キーボード部を下にして立たせるスタンドモード

ディスプレイ部とキーボード部で立たせるテントモード

本体を180度展開したフラットなスタイルでテーブルに置き、プレゼンテーションシートを表示すれば、クライアントと一緒に、あるいはチーム全員で企画書等を俯瞰しながらディスカッションもできる。ほかにも2in1ノートPCの多彩な使い方が見つかりそうな期待がこみ上げてくる。

ディスプレイ部とキーボード部を180度にしたフラットモード

ほかにも様々なスマートフォンやタブレットとリンクして、ワイヤレスでデータの共有を実現する純正アプリ「LG gram Link」が優秀だ。筆者はiPhoneとAndroid、両方のOSで動くモバイル端末を複数使っているので、これらのデバイスに保存されているデータをLG gram Pro 2in1に共有、ひとまとめにして管理できる環境は大事な戦力になる。

「LG gram Link」を使えば、スマホ/タブレットとワイヤレスでデータを共有

「LG gram Link」の設定画面

筆者は職業柄、記者発表会などに出かけて屋外で原稿を書くことも多い。大事な情報の管理は徹底しているつもりだし、執筆作業中には周囲から画面をのぞき見られないように色々な工夫も凝らしている。そういったセキュリティ部分をフォローしてくれるのが、本モデルにプリインストールされている「LG Glance by Mirametrix」。機能をオンにすると、離席時の自動画面ロックや、画面を見ていないときに表示をぼかしたり、また背後に人がいることを警告してくれる。それぞれの機能を駆使すれば、ユーザーの仕事環境の秘匿性がさらに高まる。

「LG Glance by Mirametrix」の設定画面。背後から人が覗き込んでくるとアラートを表示## 「LG gramの完成形」と呼びたくなる高性能モデル

LG gram Proシリーズは年々着実に、大きなステップアップを遂げながら成長を続けてきた。今回筆者が試した16インチのLG gram Pro 2in1はAI PCとしての魅力も加わったことで、まさしく今現在での「LG gramの完成形」と呼ぶべき、魅力満載のマシンになった。AIと強く結びついたノートPCで、モバイルワークやクリエーションのさらなる高みを目指したい方に本機を体験してほしい。

(提供:LGエレクトロニクス・ジャパン)

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