F1オーストラリアGPのスチュワードを務めたハーバート、アロンソへのペナルティをめぐり「殺害予告を受けた」と明かす

 F1第3戦オーストラリアGPのレース終了間際にジョージ・ラッセル(メルセデス)のクラッシュに関与したとして、オーストラリアGPのスチュワードがフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)にペナルティを科したことの余波から、F1とル・マン24時間レースの優勝経験者であるジョニー・ハーバートは、“多くの殺害予告”を受けたことを明らかにした。

 ロータス、ベネトン、スチュワートなどからF1に参戦したハーバートは、オーストラリアGPの4人のスチュワードのひとりだったが、アロンソのファンから標的にされたのは、彼がそのなかで唯一の元F1ドライバーだっためだ。また、ハーバートが『Sky TV』の解説者だったときに、アロンソが生中継のインタビュー中に彼に口論を仕掛けたことがあるからだ。

2024年F1第3戦オーストラリアGP ジョニー・ハーバートとティム・シェンケン

 オンラインプラットフォームでのインタビューで、ハーバートは次のように説明した。

「ソーシャルメディアを通じて大量の殺しの脅迫が送られてきた。私はこうした脅迫に対処できる人間なので、幸運だ。私をバスの下に放り込んでもうまくいくことはない」

「2年前のバーレーン、あるいは彼がマクラーレンにいた数年前にさかのぼる。アロンソはほぼ毎レースで、無線でエンジンをこき下ろし、GP2エンジンのようだと言っていた。彼は本当に声を大にして言っていた。私は『Sky』で仕事をしていたが、もしアロンソが気に入らないならチームを辞めるべきだと言った。引退しろとは言わなかった。その後、彼はバーレーンでの生放送中に私のところに来て、『自分は世界チャンピオンであり、引退して解説者になるつもりはない。なぜならあなたは世界チャンピオンではないからだ』と言った。その後、ファンはオーストラリアGP後にそのコメントを武器に私を攻撃した」

「画面の下に短剣の絵文字が書かれたメッセージがあった。お前がどこに住んでいるか知っているから、お前のところに行くと言うのだ。そのほとんどがスペイン語だった。発表された声明によって、どのように決定に至ったのか非常に明確にされていたので、彼らはそれを理解すべきだった。また、私は世界チャンピオンになったことがないので、発言する資格がないとも言われていた」

 そうした状況にもかかわらず、ハーバートはFIAのスチュワードを続けるつもりだ。

「こうしたことのせいで私がスチュワードを辞めることはない。残念ながら、そうしたこともその一部なのだ。私はメルボルンでドライバーズ・スチュワードをやっていた。ドライビング・スチュワードになると、大変な思いをする。私はそれを受け入れる。それは問題ではない。脅迫は2週間続き、今も続いている。誰もが意見を持つソーシャルメディアの世界の一部ではあるが、意見を裏付ける事実はない」

「今はあまりにも多くのことが起きている。多くのスポーツのアスリートや関係者は、殺害予告にさらされている。そして、たくさんの人たちがそのために大きな苦しみを味わっている。卑劣な行為や虐待は、一般のあらゆる人々にも起こる。こうしたプラットフォームに対処すべきだ」

「しかし彼らはそうしていない。彼らはそれが起こるがままにしている。私には理解できない。彼らは行動を起こすべきだ。しかし、彼らはそれを止める方法を見つけられないと言っている。信じられないことだ」

「私は笑い飛ばすことができる。幸い、それが我々に影響を及ぼすことはない。しかし、それは多くの人々を傷つけている。そうしたことが起こったら、行動を起こす必要がある。このことについては、何か手を打たなければならない。だが、何かが行われたという話は聞いたことがない」

 それでも、いくつかのことは明らかにハーバートは気分を害している。

「私がどこに住んでいるのか知っているというコメントがあった。短剣と、私を傷つけるという脅しがあった。そういうことをする人間の考え方が私には分からない。彼らは真のF1ファンではないし、もしフェルナンドが自分のファンがそうしていると知ったら、恥ずかしく思うだろう」

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