【新NISA】を始める人・見直したい人へ!金融アナリストが教える投資戦略の立て方や投資信託の選び方

今日からゴールデンウィークですね!忙しくてまだ新NISAを始められていない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、とりあえず始めてみたものの、「買っている商品や金額はこのままでいいのかなぁ」と悩んでいる方もいらっしゃるようです。

ゴールデンウィークは投資の世界に足を踏み入れるチャンスでもあり、投資戦略を見直すタイミングにもなるのではないでしょうか。この休暇を有効活用して投資に関する知識を深めることで、将来の資産形成につなげることができるでしょう。

今回の記事ではこの機会に改めて始める&見直していただきたい、投資初心者が新NISAを活用して、資産形成につなげる方法を解説します。


投資を始める前の3ステップ

投資を始めるにあたり、次のステップを踏むことが重要です。

【1】まず投資の目的、目標とする金額を明確にすることが大切です。例えば、老後の資金、子供の教育費、資産増加など、具体的な目標、そしていつまでに必要なのかという金額と時期を真剣に考えてみましょう。目標を定めることでその資金がどのくらい、いつまでに必要なのかを設定することができます。

【2】次に投資に回せる資金を把握しましょう。
生活費や緊急時の資金を考慮して、余裕を持った計画を立てます。毎月積み立てるのであれば無理のない範囲で投資する、もしくは今ある資金をすぐに投資するのか、取り崩して投資していくのかなどを鑑みて投資資金を確定しましょう。

長期投資をする際には余裕資金で行うことが大切です。積み立て以外にタイミングをはかって投資をしたい場合には、市場の暴落や不測の事態に対応するための余裕資金を用意しておいても良いでしょう。投資に慣れて、レバレッジ(“てこの原理”を意味し、借入を利用し、手元資金の何倍もの取引を行うこと)をかけた取引をする場合も、投資資金以外に緊急時のための資金を用意しておくことで、暴落時や急な出費があった際にも投資資金を手放さずに済みますので、余裕資金は必須です。

先週、日経平均株価格が2500円近く下落し、その際にSNSでも不安の声が多く見られましたが、長期投資では感情に左右されずに冷静に投資判断を行うことが重要です。「そう言われても怖くて我慢できない」ということであれば今投資している金額はあなたにとって適切な金額ではないのかもしれません。メンタル面も考慮して投資資金を決められると良いですね。

【3】目標金額と時期、そして投資できる金額が決まると目標達成のための利回りを計算することができます。必要なリターンを計算し、適切な投資商品を選定します。金融庁や証券会社などの資産運用のシュミレーターを活用すると簡単に計算することができます。

例えば毎月の積立金額が3万円で25年後までに老後資金として2000万円以上は欲しい場合、想定利回り(年率)は6%ですと2078万9819円となるので、利回り6%以上となる商品を探してみる、ということになります。毎月の積立金額が5万円で30年後に3000万円以上は欲しい場合、想定利回り(年率)は3.2%で3015万6779円となります。

積み立て投資は複利の力を使って資産を増やしていくというのが基本的な考え方ですので、投資期間が長ければ長いほど、また利回りは高ければ高いほど資産は増えていきます。特に投資期間は長いほど加速度的に資産が増えていきますので、かなりの利回りでないと自分の思った通りの目標金額にならなかった場合は、投資資金を無理のない範囲で増やしたり、投資期間を長くしてみるなど、調整をしてみてください。

まずは投資信託がおすすめ

投資初心者の方が新NISAで長期投資を始めるのであれば投資信託から始めてみるのがいいでしょう。新NISAは非課税の投資制度であり、2024年からは非課税期間が無期限で利用できるようになり、長期投資に適しています。そのうえ投資信託は、定期的に自動で積み立てができるうえ、総じて手数料が低いため、リターンを最大化することが可能で、リスク分散もしやすくなっています。

投資信託の選び方のポイントは【1】〜【3】で設定した金額と利回りなどの運用方針とリスク許容度に合った投資信託を選びましょう。株式型、債券型、資産配分型など、特性に応じて選定します。株式などの高リスク投資だけでなく、安定したリターンが見込める債券やインデックスファンドなども選択肢に入れることで、資産を安定させることができますが、利回りが下がる可能性があるので、利回りやバランスを考えながら投資商品を選んでポートフォリオを組みましょう。

投資信託の選び方

商品選びが難しい場合にはアメリカ、ヨーロッパ、アジアなど全世界(約50カ国)の企業にまとめて分散投資できることや低コストで人気の投資信託であるTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)や、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、もしくはアメリカの主要指数のS&P500指数に投資するeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などから調べてみてはいかがでしょうか。全世界型も約半分がアメリカなのでどちらかでいいと思います。

さらに利回りがほしいのであれば、それらをベースにハイテク株や高利回り、インド株など気になる投資信託を加えてみるというようなやり方もありだと思います。

過去の実績が将来の成果を保証するわけではありませんが、安定した運用がされているか、成長性を含めた過去の運用実績をチェックします。暴落時にどのくらい下がっているのか、またそれを耐えられそうかなども考えておくと良いでしょう。そして信託報酬、手数料が低い投資信託を選ぶことが重要です。私個人としては積み立て投資信託のコストは0.1%以内を基本としています。ただ「コストは高めだけどこの分野や国に投資したい!」という思いがあるときは他社と比べてコストが安く、パフォーマンスが高ければ検討しても良いと考えます。

【1】〜【3】を押さえれば専門家に相談しやすくなる

投資は、資産を増やし、将来の不安を減らす手段ですが、価値の下落や市場の変動リスクも伴います。適切な知識と専門家のアドバイスを得ながら慎重に投資先を選定することが大切です。今回お伝えした【1】から【3】を事前に考えておけば専門家にも相談しやすくなると思いますし、商品を探したり選んだりしやすいと思います。

また、投資は将来につながることなので、家族と話し合うことで、家族の絆を深める機会にもなるのでは。一方でインフレーションの影響を受けたり、不測の事態に備える投資を怠ると資産が目減りするリスクもあります。デフレが続いた時代が転換し、現金が強い時代も転換したことは改めて念頭に置いていただきたいです。投資はリスクを伴うものですが、適切な計画と戦略を立てることで、それらのリスクを管理し、より安定した将来を築くことが可能です。ゴールデンウィークを利用して、新NISAを始める良い機会かもしれません。計画的に、そして冷静に投資に取り組みましょう。

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