航空機プロペラも巨大エンジンも! 大和ミュージアム、実物展示大幅増へ 呉市が大型リニューアル設計公表

海軍工廠で製造された航空機のエンジンやプロペラなど、実物の展示を充実させるエリアのイメージ図(大和ミュージアム提供)

 広島県呉市は26日、大和ミュージアムの開館20周年に合わせ初めて行う大型リニューアルの実施設計を公表した。これまで少なかった広海軍工廠(こうしょう)の航空機製造技術に関する資料を充実させるなど、実物の展示を増やす。来館者が新たな学びや気付きを得られる施設を目指す。

 造船技術を紹介している3階展示室は海軍工廠をイメージした内装に一新。広海軍工廠などで造られた航空機のエンジンやプロペラ、昭和初期にかけて艦船などに搭載された高さ2・6メートルの巨大なエンジン「三段膨張蒸気機関」などを展示する。実物資料の展示は全館で約300点増やし約2100点となる。

 他にも、戦艦大和の乗組員たちの手記や手紙をデジタル化して、公開点数を増やす。零式艦上戦闘機(ゼロ戦)や人間魚雷「回天」の実物の前には、触って特徴を確認できる模型を置く。

 市は2024年度予算に施設改修31億9千万円、展示改修17億2千万円を計上した。当初は今年10月に館内工事に入る予定で開館20周年の25年度中のリニューアルオープンを目指していた。だが、部品調達の遅れなどで26年4月にずれこむ見込み。工事のため25年2月中旬から休館を予定する。

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