金正恩氏、革命軍の創建記念日に金日成軍事総合大学を訪問

北朝鮮の金正恩総書記(国務委員長)が25日、朝鮮人民革命軍創建92周年に際して、金日成軍事総合大学を祝賀訪問した。朝鮮中央通信が26日、報じた。

朝鮮人民軍(北朝鮮軍)は1948年2月8日の創建され、この日は「建軍節」とも呼ばれている。一方、金日成主席が1932年4月25日に満州で「朝鮮人民革命軍」を組織したとされ、4月25日は「朝鮮人民革命軍創建日」とされている。2022年の朝鮮人民革命軍創建日に、金正恩総書記は初めて白い軍服姿で登場した。

祝賀訪問には、朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長の朴正天(パク・チョンチョン)書記、強純男(カン・スンナム)国防相、北朝鮮軍の李永吉(リ・ヨンギル)総参謀長らが同行した。ジュエ氏とされる娘は同行しなかった模様。

金正恩氏は訪問を記念して演説を行い、「強力な軍隊は強国の柱であり、未来であり、国家の存亡と成敗は全的に軍事力の強弱に起因しています」としながら、「現代戦に万端の準備を整えた軍事人材、党軍の頼もしい軍事指揮官をより多く育成するのは、金日成軍事総合大学の主な任務です」と述べた。

そのうえで、「金日成軍事総合大学がその聖なる責務に忠実であるほど、わが軍の戦闘力は全面的に強化されるでしょうし、これに正比例して敵の不安と恐怖はさらに増大するでしょう」と強調した。

金正恩氏は演説後、革命事績館と沿革紹介室を見て回り、「人民軍の根幹育成の中心拠点に強化し、発展させた金日成主席と金正日国防委員長の不滅の事績を感慨深く回顧した」という。

金正恩氏は訪問を記念して教職員、学生らと記念写真を撮り、金日成軍事総合大学と金日成政治大学間のサッカー競技を観戦した。同日夕、創建92周年を祝う宴会が国防省主催で行われ、労働党中央委員会の幹部も招待された。宴会では強純男国防相が演説した。

同通信の報道全文は次のとおり。

金正恩総書記が意義深い4・25祝日に際して金日成軍事総合大学を祝賀訪問
【平壌4月26日発朝鮮中央通信】朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が、朝鮮人民革命軍創建92周年に際して4月25日、わが国の軍事教育の最高学府である金日成軍事総合大学を祝賀訪問した。

祖国の富強と繁栄を武装をもって確実に保証している革命武力の強大無比の自衛力が全世界にとどろかされている時期に迎えた朝鮮の真の初の武装力の創建日に、敬愛する金正恩総書記を校庭に迎える無上の光栄と特典に浴することになった金日成軍事総合大学の全ての教職員と学生の胸は大きな激情と歓喜で高鳴った。

金正恩総書記が到着すると、チュチェ朝鮮の強大さの象徴であり、百戦百勝の旗印である偉大な最高司令官を仰いで上げる嵐のような「万歳!」の歓呼の声が喜ばしい4月の空を震撼させた。

金日成軍事総合大学の総長が金正恩総書記に迎接報告を行った。

金正恩総書記に、大学の教育活動家と学生が全軍の将兵の限りない敬慕の念を込めて芳しい花束を差し上げた。

金正恩総書記は、熱狂の歓呼に答礼し、わが革命武力の貴い名と栄光に輝く歴史と一つにつながっており、その英雄主義と不敗さの尽きない原動力である金日成軍事総合大学で朝鮮労働党の強兵建設思想と

偉業を忠実に支えている全ての教職員と学生を温かく激励した。

朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長である党中央委員会の朴正天書記、朝鮮民主主義人民共和国の強純男国防相、朝鮮人民軍の李永吉総参謀長と朝鮮人民軍の各軍種司令官、各大連合部隊長が同行した。

敬愛する金正恩総書記が大学祝賀訪問を記念して演説を行った。

「金日成軍事総合大学の教員、研究士と学生の皆さん!

同志の皆さん!

朝鮮の初の武装力が誕生した意義深い日に、国の総領軍事殿堂であり、わが軍の中核幹部養成の頼もしい原種場である金日成軍事総合大学を訪問して、このように皆さんと顔を合わせてみると実にうれしく、感無量です。

今日、われわれが意義深く慶祝し、その深遠な意義を敬虔に振り返る朝鮮人民革命軍の創建が傑出した、聖なるわが軍の歴史の起点であるなら、金日成軍事総合大学の創立と発展の沿革は、その力強い前進に百戦百勝への布石を打った誇り高い道程であります。

有能な軍事人材の中核的役割と共にわれわれの革命武力は、90余年の長きにわたって常に勝利の一路を力強く歩み続け、その輝かしい功績の先頭には当然、金日成軍事総合大学が立っています。

われわれの金日成軍事総合大学のように、苛烈な戦火の中で発足して、党に最も忠実な戦闘隊伍としての伝統と歴史を誇らしく記し、軍事力の強化と革命偉業に特出した貢献をした高等軍事学園、総合的軍事教育・科学拠点はこの世にありません。

この校庭に籍を置いた数多くの軍指揮官、この大学のしっかりした申し子たちが今、各方面の全ての前線と哨所を鉄壁のごとく守っており、神話的な朝鮮人民軍の勝利の功績の上に尊厳と栄誉を積み重ねているという事実だけでも、大学の名は末長く称えられるでしょう。

私は党中央委員会と共和国政府を代表して、無比の愛国的献身と赫々たる教育・科学の成果によって、世紀と世代を継いで英雄的朝鮮人民軍の強大さと不敗さをしっかりと保証し、党の思想と指導に限りなく忠実な金日成軍事総合大学の全ての教員、研究士と幹部の功労を高く評価し、心からの謝意を表します。

同志の皆さん!

強力な軍隊は強国の柱であり、未来であり、国家の存亡と成敗は全的に軍事力の強弱に起因しています。

柱がしっかりしていてこそ家が倒れないように、人民軍の根幹をなす中核勢力がしっかりと準備されてこそ、強力な軍隊も、強大な軍事力も育てられるものです。

わが軍が担っている主権死守と平和と安全保障の聖なる使命、わが軍が先頭に立って切り開くべき祖国と革命の未来に対する限りない責任感に照らして、現代戦に万端の準備を整えた軍事人材、党軍の頼もしい軍事指揮官をより多く育成するのは、金日成軍事総合大学の主な任務です。

金日成軍事総合大学がその聖なる責務に忠実であるほど、わが軍の戦闘力は全面的に強化されるでしょうし、これに正比例して敵の不安と恐怖はさらに増大するでしょう。

わが軍を育てる揺籃であり、軍の勝利を保証する基盤である軍事総合大学が、絶対忠実な党の大学、革命戦争の運命を決定づける戦法革命の拠点、軍事人材育成の根拠地としての位置をしっかり占めている限り、百戦百勝へ向かう歴史の車輪は絶対に逆転することはないでしょう。

同志の皆さん!

わが武装力の初の世代が聖なる赤旗に記した神聖な理念と百戦百勝の真理を、偉大な戦勝をもってわれわれの時代に、向き合っている歴史により鮮明に浮き彫りにさせるべき非常な使命がわれわれの世代に担わされています。

朝鮮人民革命軍創建の深奥な歴史的意味と共に、今日、時代と革命に対して担っているわが軍の聖なる義務を改めて強く実感する今、意義深いこの場を借りて、ここに集まった全ての教員、研究士と学生に熱烈に呼び掛けます。

愛するわが国家のために、

世界最強を末長く轟かせるわが軍の百年の大計のために、堅実な革命精神によって、軍事教育の変革によって、学業の熱情によって忠実に服務していきましょう。

大学の輝かしい明日に栄光あれ!」

金正恩総書記が演説を終えると、全ての教職員と学生は白頭山に始原を置いたわが革命武力の尊威と英雄的な勝戦の歴史を最強の力と栄誉の絶頂で輝かし、富国強兵の壮大な転機を開いていく天下第一の名将を仰いで最大の敬意を示した。

金正恩総書記は、わが党と国家、人民にとって実に意義深くて誉れある記念日を、聖なる歴史に対する大きな自負と継承の意志をもって祝う教職員と学生に改めて温かい祝賀のあいさつを送った。

金正恩総書記は、革命事績館と沿革紹介室を見て回った。

金正恩総書記は、生死を決する苛烈な祖国解放戦争(朝鮮戦争)の時期に大学を創立し、精力的な指導で共和国武力の輝かしい勝戦の歴史に無敵必勝の気概と威厳のある名声を百倍にした歴史があり、権威のある世界的な大学に、人民軍の根幹育成の中心拠点に強化し、発展させた金日成主席と金正日国防委員長の不滅の事績を感慨深く回顧した。

金正恩総書記は、栄光の日にも試練の日にもひとえにわが党と志と足取りを共にしてきた軍事総合大学が、忠誠の歴史と伝統を変わることなく輝かし、自主強国の千万年史を銃剣でしっかり裏付ける有能な指揮官をより多く、より立派に育成しなければならないと述べた。

金正恩総書記は、大学の責任幹部たちの案内を受けて講義室で行う講習と教育方法研究室での討論会を参観し、ついで統合教授管理指揮室で教育の近代化状況を具体的に確認し、大学が収めた教育成果に大きな満足の意を表した。

金正恩総書記は、軍事教育部門は党軍の中核陣地強化のとりで、第一線であると述べ、白頭山で切り開かれたチュチェの革命偉業の前途がわが軍の強大さと無敵の戦闘力にかかっているなら、現時代に応じて絶え間なく進化し、発展すべきわが軍の戦闘力は大学教授陣の高い実力と立派な教授結果で保証されなければならないと語った。

金正恩総書記は、党の4大強兵化路線と軍事教育の内容を実戦化、総合化、近代化するという方針を一貫して堅持して貫徹することによって、全ての学生を党と革命に対する絶対忠誠と高い軍事的能力を身につけた知恵深く勇猛な万能の指揮官に育成しなければならないと述べ、大学の教授・教育活動を新たな高い段階へ跳躍させるための綱領的な課題と方途を提示した。

敬愛する金正恩総書記は、大学の訪問を記念して教職員、学生と意義深い写真を撮った。

全ての教職員と学生は、天才的な思想的・理論的英知と非凡な科学的洞察力で大学が進むべき道を明示し、大いなる愛と信頼を重ねて与えてくれる偉大な師匠、慈父を仰いで感謝のあいさつをささげた。

金正恩総書記は、金日成軍事総合大学が今後も、わが革命武力の百年の計を軍事教育の誇らしい成果で裏付けてきた貫禄と名誉を変わることなくとどろかし、強兵建設の新しい高揚期を先導するものとの期待と確信を表明した。

記念撮影が終わると、「金正恩」「決死擁護」の喚声が限りなくこだました。

金正恩総書記は続けて、朝鮮人民革命軍創建記念日に際して行われた金日成軍事総合大学と金日成政治大学間のサッカー競技を観戦した。

夢にも懐かしんでお会いしたかった敬愛する最高司令官同志を迎えてスポーツ競技を行うことになった選手と応援者の喜びとロマンが競技場に満ち溢れた。

終始、激しい攻防戦の中で行われた競技は、軍事総合大学の勝利で終わった。

同日夕、朝鮮民主主義人民共和国国防省は祝日を迎える金日成軍事総合大学の教職員を祝って宴会を催した。

朝鮮労働党中央委員会の幹部も招待された。

宴会では強純男国防相が演説した。

宴会は、わが党の強兵建設思想を軍事教育の飛躍的な発展で忠実に支えていくという参加者の高い熱意が満ち溢れる中で行われた。

敬愛する金正恩総書記が建軍史の意義深い祝日に行った金日成軍事総合大学に対する祝賀訪問は、二挺の拳銃にチュチェの思想をこめて誕生した革命的党軍の必勝不敗の伝統を百年、千年の英雄主義と偉大な名声でしっかり継承し、世界最強の自衛力を目標として生々発展するわが革命武力の栄光に満ちた道程に限りない活力を与えた歴史的な歩みとして歴史に末永く輝くであろう。---

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