阪神・青柳晃洋は移籍か、残留か…今オフFA権行使を左右する「マウンドからの景色」

甲子園じゃなければ…(C)共同通信社

阪神の杉山オーナーが26日、大山、坂本らのFA権取得に関し、「現場の意見を最大限、尊重しようと思う」と話した。

26日のヤクルト戦に先発した青柳晃洋(30)も、今季中に取得資格の権利を満たす予定だ。最多勝、最高勝率を2度(2021、22年)、最優秀防御率(22年)を1度獲得するなど通算60勝をマーク。昨季は8勝6敗、防御率4.57ながら、2年連続で開幕投手を務めた今季は5試合に先発し、1勝2敗、防御率2.96。クオリティースタート(6回3失点以内)3度と安定した投球を続けている。

昨オフの契約更改は3000万円減の年俸2億1000万円でサイン。Bランクに該当するとみられるが、球界では「残留か移籍か、マウンドとの相性が左右するかもしれない」との声がある。

実は青柳は甲子園をあまり得意とはしていない。過去5年間の本拠地での防御率は、23年4.09、22年2.90、21年3.33、20年2.56、19年3.06。20年こそ球場別成績は甲子園が最も良かったが、タイトルを獲得した21年、22年は準本拠地の京セラドームを含めた7球場の中で最も防御率が悪かった。球界OBが言う。

「通算防御率が2.50以下と、最も相性がいいのがバンテリンドーム。中日の首脳陣によれば、ナゴヤでの青柳は、甲子園で投げる時よりボールに角度があり、ツーシームやシンカーのキレが増すそうです。理由として考えられるのは、マウンドの傾斜です。甲子園もナゴヤも高さ自体はさほど変わりませんが、ナゴヤの方が傾斜が急です。同様に得意としている京セラも、ナゴヤに近いイメージ。マウンドから見える景色は投手ごとに違いますが、たとえば左腕の大竹はナゴヤのマウンドについて『甲子園とは全然違う。凄く高くて、傾斜があって固い』と言っている。青柳は傾斜が急な方が投げやすいのかもしれません」

阪神では、甲子園のバックネットのフェンスの低さを気にする投手もいるという。

「青柳がどう感じているかはともかく、甲子園は他球場よりフェンスが低く、マウンドからほぼ同じ目線で観客が見えるほど。フェンスが高いほうが捕手までの距離を近く感じる投手も少なくありません」(同)

この日の青柳は甲子園で4回途中5失点(自責2)。阪神は中日、オリックスの横槍を警戒した方がいいかもしれない。

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本文冒頭に登場する大山が仮にFA権を行使した場合、「4年16億円」規模で争奪戦が勃発すると見られる。それほどまでに評価を押し上げた「目に見える数字以上の価値」などは、

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