縄文土器「人体像把手付土器」修復が完了 27日から福島県柳津町で公開

公開される人体像把手付縄文土器

 福島県柳津町の池ノ尻遺跡から出土した縄文土器「人体像把手(とって)付土器」の修復が完了し、27日から町内のやないづ縄文館で公開される。精巧な表現の人体像が対になって付けられているのが特徴で、縄文文化を考える貴重な資料となっている。

 土器は口径37センチ、胴部の最大径57.6センチ、推定の高さは約80センチ。奈良市の元興寺文化財研究所で修復・強化作業を行っていた。口径部の一対の人体像は指先まで細かく表現され、ブレスレットのような飾りを付けていることも確認できる。

 町文化財専門アドバイザーの長島雄一さん(66)によると、土器の多くは調理具などに用いられたが、今回公開する土器は調理具には大きすぎるため、新生児のひつぎとして使われた可能性もあるという。長島さんは「一対の人体像は我が子の復活・再生を祈る両親の姿を表している可能性がある」と考察している。

 展示期間は6月16日までで、開場時間は午前9時から午後4時まで。入場無料。5月12日に長島さんによる解説会、19日、26日、6月9日にはバックヤードツアーを催す。時間はいずれも午後2時から。問い合わせは町中央公民館へ。

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