「きもキャラ大会」優勝、やはり不名誉? ガジロウ、初のタイトルなのに…福崎町幹部は懸垂幕の提案却下

きもキャラグランプリで優勝したガジロウ(中央手前)=滋賀県日野町(福崎町提供)

 キャラクターの気持ち悪さを競う、滋賀県日野町の滋賀農業公園ブルーメの丘で催された「きもキャラグランプリ2024」で、兵庫県福崎町の非公式キャラクター、カッパのガジロウが優勝した。赤黒い肌や長い髪からのぞく鋭い目が来場者に恐怖心を抱かせ、際立つ気持ち悪さで若干不名誉な「頂点」に輝いた。

 13、14日に開かれた同グランプリは、滋賀県が「非公認」だと公認するゆるキャラで琵琶湖の形をした「びわ湖くん」と、同公園などでつくる実行委員会が初開催。実行委の担当者がインターネットで調べ、ガジロウの外見に一目ぼれして熱烈に招待したという。

 ライバルは表情や形が不気味なびわ湖くんをはじめ、ぎょろりとした目で、高知県の観光名所はりまや橋の欄干を模した2体「はりまとやばし」、「壁の妖精」を自称しボルダリングの魅力を発信する「ボル姉さん」など6組。客席は満員となったが、会場には子どもたちの悲鳴や犬が威嚇する声が響いたという。

 出場キャラは2日間にわたり、一発芸やクイズ大会、来場者の見送りなどでアピール。ガジロウは一芸として、のり巻きに見立てた黒いポリ袋をまとい、口にキュウリをくわえた「カッパ巻き」の雄姿を披露。観客の投票で1位となった。

 ガジロウは「うれしいと言っていいか複雑やけど、ファンも来てくれたし、1位ならまあええ」と振り返った。同町の地域振興課は「他のキャラが強烈で、うちとは雰囲気が違うため最下位かと思っていた。初タイトルを獲得し、全国に名前が広まったならよかった」としている。

 同課は優勝を報告する懸垂幕の設置を町幹部に提案したが、あえなく却下されたという。(喜田美咲)

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