酒田港「基地港湾」に指定 全国6例目、洋上風力発電の整備拠点

酒田港(資料写真)

 国土交通省は26日、酒田市の酒田港を洋上風力発電事業の建設拠点「基地港湾」に指定した。指定は全国6例目で、岸壁などの大規模整備が行われる。最短で2030年の稼働開始が見込まれる遊佐沖と、今後地元の合意形成が進むとみられる酒田沖が対象海域となる。

 国交省東北地方整備局の安部賢副局長が県庁を訪れ、吉村美栄子知事に指定書を手渡した。その後の記者会見で吉村知事は、期待される効果として風車部品の荷揚げなどに伴う港の利用拡大や、組み立て工事などの地元企業の受注、交流人口拡大などを挙げた。

 本県沿岸では昨年10月、再エネ海域利用法に基づき、遊佐沖が洋上風力発電の事業化に向けた最終段階の「促進区域」となり、今年1月19日に事業者公募が始まった。酒田沖は事業化まで3段階の2段階目「有望な区域」で今後、法定協議会が設置されて地元の合意形成が進むとみられる。

 基地港湾指定に伴い、酒田港の外港地区の埋め立て地に県が整備する「大浜西ふ頭」のうち、34ヘクタールが発電施設の建設拠点として使用可能となる。大型風車の支柱やブレード(羽根)といった部材を運ぶ大型船の出入港、部材の仮置き場として利用される。大型船の接岸や部材の重量に耐えられる岸壁(水深12メートル、延長230メートル)や航路、停泊域の整備は、本年度の国の新規事業で予算化されている。

 26日は青森県沖の洋上風力発電事業での利用を見込む青森市の青森港も基地港湾に指定された。

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