「島原半島一周」新型電動自転車で110キロ 楽々 今夏から貸し出し

島原半島観光連盟が導入した「ファストロードE+」で試走後、平成新山の絶景を指し示す荒木事務局長=島原市、平成新山展望園地(2月27日撮影)

 1周約110キロの島原半島サイクルツーリングも、高機能電動アシスト付き自転車なら楽々-。島原半島観光連盟(相川武利会長)は半島内を巡るサイクリング客を誘致しようと、1充電あたり最長約200キロをアシストできる新型電動自転車の貸し出しを、今夏から始める。4台を既に導入し、試走を実施。島原港や島原駅など、半島の玄関口となる施設での貸し出しを検討している。

 23日、県島原振興局であった県と半島3市の観光関係者でつくるサイクルツーリズム会議で方針を打ち出した。
 同連盟は2022年度から島原半島サイクリングルートの造成に取り組んでいる。島原半島を訪れるサイクリング客数(推計)を、22年の約1990人から24年に約3500人に増やすことが目標。「島原半島一周ルート」(走行距離106キロ)や、島原港から雲仙温泉を経由して長崎市に至る「島原半島山越えルート」(同108キロ)など5コースを発表している。
 貸し出すのは、スポーツ自転車大手ジャイアント社製の「ファストロードE+」の最新モデル。大容量バッテリーを内蔵し、アシストの強度を4段階で切り替えられる。価格は1台約40万円。
 同連盟は昨年末に4台を購入。2月末、同連盟事務所のある雲仙岳災害記念館(島原市)から眉山中腹の平成新山展望園地(標高約305メートル)まで往復約12キロの試走があり、記者も参加した。
 ギアが10段階あり、平地ではアシストなしでも快走。坂を登るにつれて負荷がかかるようになったが、電動アシストのレベルを上げていくことでスムーズに登坂。急勾配の難所でも、後ろから自転車を押してもらっているかのような強力なアシストが得られた。平成新山が一望できる展望園地まで、ほとんど疲れることなくたどり着くことができた。
 同連盟の荒木信一事務局長は「車利用だと1泊で通過されることが多いが、サイクリング客は2泊目、3泊目も期待できる。島原市中心部の路地や、南島原市の原城、雲仙市の温泉街など、車では訪れにくいスポットも楽しんでもらえたら」と話した。
 「ファストロードE+」のレンタル開始は7月ごろからの予定。レンタル料は1泊2日で1台当たり1万円程度を想定している。
 問い合わせは同連盟(電0957.62.0655)。

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