寒暖差、ニオイ、環境変化――春に犬が感じやすい“不快”対策

春はじつは、犬にとっては室内環境の“不快要素”が増える季節でもあります。そこで今回は、春にありがちな「寒暖差」「ニオイ」「環境変化」の不快要素の対策について、家庭犬訓練士の岡田敏宏先生にお話を伺いました。

気温差が不調につながることも!春の「寒暖差」対策

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

日中と夜で気温差が激しい春は、床に近い場所で生活する犬にとって冷えやすい時期。寒暖差が不調のきっかけになる場合もあるので、しっかり対策をしましょう。

エアコンの温風は下向きに

まだ寒い日に暖房を使う場合にはチェック。暖かい空気は上にたまりやすいので、エアコンの暖房を使う場合には風向きを下にしましょう。床付近もまんべんなく暖まるので、愛犬も飼い主さんも快適に過ごせますよ。

温湿度計を犬の高さに設置

愛犬がいる床に近い場所は、飼い主さんが感じているよりも寒いことが。ハウスの高さに温湿度計を置き、快適な温度(22℃前後)・湿度(50%前後)に近づけましょう。

サーキュレーターをエアコンの反対側に設置

サーキュレーターをエアコンの反対側に設置して上向きに稼働させると、暖かい空気が対流して効率よく部屋全体に行き渡らせることができます。湿度が高くなりやすい場所に空気が通ることで、寒暖差対策と同時にカビ対策にもなりますよ。

気温が上がると気になりがち……春の「ニオイ」対策

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

春になり暖かくなると、雑菌が繁殖して嫌なニオイが強くなりがちです。とくに犬用トイレのアンモニア臭は、犬も不快に感じます。また、ニオイ対策として使用している芳香性の消臭剤にもストレスを感じることがあるので、犬にストレスを与えないニオイ対策が大切です。

無香料の消臭剤を使用

犬がいる部屋に消臭剤を置く場合は、無香料タイプを選びましょう。また、カーテンなどに使う布用の消臭スプレーもできるだけ無香料のものやペット用のものを選び、嗅覚を刺激しすぎないようにしましょう。

布ものは定期的に洗ってしっかり乾かす

犬が使用するベッドやマットなどは、ノミ・ダニが繁殖したりカビが生えたりしやすく不衛生になりがちなので、週に1回の洗濯が理想です。洗濯で虫や皮脂を落とし、しっかり乾かしてカビ対策をしましょう。

オシッコがついたら薄めた洗剤→消臭剤の順で対応

オシッコが床やカーペットについたら、いきなり消臭剤を使うのではなく、まずは洗濯用洗剤を薄めた水を吹きかけて、タオルでたたいて拭き取ってから消臭剤を吹きかけましょう。洗剤でニオイのもとを取ることで、ニオイ戻りを防げます。

引っ越し、家族の変化etc.春の「環境変化」対策

引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー

春は引っ越しや、入学・卒業・就職などによる家族構成の変化で、部屋のレイアウトや飼い主さんの生活サイクルに大きな変化が出やすい季節。急激な変化は犬にとってストレスになりやすいので、対策が必要です。

クレートやベッドで愛犬だけの居場所をつくる

部屋の環境や家族構成、飼い主さんの生活スタイルが変化するのは、しかたのないことです。その変化に耐えるための“愛犬だけの安全地帯”となるクレートやベッドを、部屋の静かな場所に用意してあげましょう。

愛犬にとっての不快要素が増えがちな春は、部屋の環境の見直しが重要です。しっかり対策をして、春を快適に過ごしましょう。

お話を伺った先生/岡田敏宏先生(「Pet Life Consulting シンビオーシス」代表 家庭犬訓練士 動物看護師 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 トリマー ペット共生住宅管理士)
参考/「いぬのきもち」2024年3月号『花粉、虫、寒暖差etc.イヤ~な不快がすっきり! 春のお部屋づくりのヒント』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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