ロボットを身にまとって殴り合い!?アニメの世界のようなアトラクションが登場…仕組みや安全性を聞いた

子供の頃、ロボットアニメの戦いを見て心を躍らせた記憶がある人は多いだろう。

まさに、その夢が形になったような新しいアトラクション「RFIGHT ロボットファイト」が24日、東京タワーのフットタウンにある「RED゜TOKYO TOWER」に登場した。

「RFIGHT ロボットファイト」は、ロボットを身にまとった2人のプレイヤーがパンチを繰り出して戦う、全く新しい対戦型アトラクションだという。

まるで巨人になったかのような体験

このロボットは、外⾻格クリエイター集団「スケルトニクス」が2010年に初号機を完成させて以来、改良を重ねて開発したもので、モーター等の動力は使わず、装着した人の動作を拡張し、手足を自由自在に動かすことができる。まるで巨人になったかのような体験が可能とのことだ。

対戦ではロボットのセンサーにパンチが当たると「HP」が減少。制限時間内に相⼿のHPをゼロにするか、より多くのHPが残っていた⽅が勝ちとなる。

また、ダメージを受けることでゲージがたまっていき、「10秒間攻撃力2倍」「10秒間ノーダメージ」「1発だけ攻撃力5倍」といった“必殺技”が使えるようになるという。

この必殺技の使いどころによって勝敗が分かれ、単なる殴り合いではなく戦略性でも楽めるとのことだ。

もちろん安全面にも配慮。プレイヤーの体はロボットで覆われ、ロボットの手もスポンジのような柔らかい素材でできていることから衝撃を軽減し、女性や子供でも楽しめるという。

さらに対戦を見守るオーディエンスも、周囲のタブレットをタップして応援すると、ロボットの攻撃⼒をアップさせたり、必殺技ゲージを貯めるなど、戦っている人を支援して楽しむことができるようになっている。

プレイ料金は1人1回600円(別途入場料が必要)で、所要時間は約5分だが実際の試合時間は約2分。

なおプレイできるのは7歳以上で、「身長110cm~200cm」「体重120kgまで」という制限もある。さらに靴下の着用が必須で、ハイヒールやサンダルは不可となる。

興味深いアトラクションだが、そもそもなぜロボット同士を戦わせようと考えたのだろうか?「RED゜TOKYO TOWER」を運営するTEG株式会社の担当者に聞いてみた。

まるでeスポーツの中に入ったように対戦

――このロボットはどんな仕組みになっている?

「RFIGHT」の機体は「リンク機構」と呼ばれる、所謂「カラクリ仕掛け」で、中の人の力で動かしています。そのため、重いモーターやバッテリーを積む必要がなく、軽量で安全な機体になっています。また、機体の顔、肩、腕の部分には感圧センサーが内蔵されており、パンチがヒットするとBluetoothを介してPCに信号が送られ、まるでeスポーツの中に入ったように対戦することができます。

――ロボットの重さはどれくらい?

機体の重量は約15kgほどで、小さなお子様をおんぶしているような感じです。腕も人力で動かすので、30秒3ラウンドを対戦するとかなりいい運動になります。今後はカーボンフレームの導入や、補助動力の採用によりもっと軽快に遊べるように改良したいと考えています。

――靴下の着用が必須なのはなぜ?

15kgのロボットを背負うので、足元が安定していることがとても大切です。転倒事故防止のため、サンダルやかかとの高い靴での体験はご遠慮いただいています。

憧れだった究極のごっこ遊び

――ロボットを対戦させるアイデアはいつからあった?

2019年の夏ごろ、スケルトニクスをもっと多くの人々に体験してもらう方法を考えた際、ロボットに乗るとなぜか戦いたくなることから、ロボット同士で対戦する「RFIGHT」を考案し、2019年末に試作機を完成させました。

しかし、機体の重量が大きく、パンチ力も強すぎて危険であったため、テレビ番組などの演出に限定されていました。

そして2022年、推し活や格闘技のネット配信が盛り上がるのを見て、機体を軽量化し、体力と攻撃力をデジタル化すれば、安全に遊ぶことができ、さらに応援機能があると盛り上がるのではと考え、2023年11月に今回のシステムを完成させました。

――開発で苦労した点は?

安全に遊べるようにすることが難しかったです。転倒事故防止装置の導入、機体の軽量化、グローブに軟質ウレタンを採用するハードウェアの改良と、攻撃力と体力をデジタル化するソフトウェアの導入により、ようやく実現しました。

――力の強い人が相手を思いきり殴っても大丈夫?

グローブ全体が軟質ウレタン製であり、パンチ力が吸収されます。また、機体はゆっくり倒れることができる転倒事故防止装置に接続されているので、怪我をする可能性は極めて低く出来ています。

いままで数百回対戦しても壊れていないので、耐久性は高いと思いますが、プロ格闘家が思い切り動かすと壊れる可能性はあります。ただし、シンプルな構造なので修理は容易であること、予備の機体を常設することから、お客様にご迷惑をおかけすること少ないと考えています。

――このアトラクションの魅力や面白さはどこ?

映画や漫画やアニメ等、空想の世界での憧れであった、「ロボットに乗って戦う」夢を叶えることができること、つまり究極のごっこ遊びができるところだと考えています。

ロボットを身に纏うと、なんとも言えない高揚感があり、身体だけでなく、夢や心も拡張されること。そして、応援する人と一緒に楽しむことができることが体験できます。

「RFIGHT ロボットファイト」は、子供の頃にロボットアニメに憧れた人にとって夢を叶える体験になりそうだ。週末やゴールデンウイークに新しい行楽スポットを探している人は、東京タワーの下で戦いの火花を散らせてみても楽しそうだ。

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