「安心感のクオリティ」 出戻りパターがホーシェルの8勝目をアシスト

米ツアー8勝目を手にしたビリー・ホーシェル(Michael Reaves/Getty Images)

ビリー・ホーシェルは「コラレスプンタカナ選手権」を制覇したが、PGAツアー8勝目を挙げるのに2年近くを必要とした。

ホーシェルが前回優勝した2022年の「メモリアルトーナメント」から、多くの物事が変化したが、今回と前回の優勝で使ったパターは同じものだ。

しかし、そのパターを勝てなかった約2年間、ずっと使い続けていたわけではない。2023年にパターを何度か変更し、今年3月の「ザ・プレーヤーズ選手権」前に、信頼するピン シグマ2タイン4に戻したばかりだった。

「『ザ・プレーヤーズ選手権』で、3、4年使ったピンのパターへ戻したんだ。これはヒートアップして来ているよ。しばらくの間、ベンチにいたので、またウォームアップさせる必要があったんだ」とホーシェル。

「ザ・プレーヤーズ選手権」でパターを入れ替えて以降、3大会のうち、「バルスパー選手権」と「テキサスチルドレンズオープン」の2大会でストロークゲインド(SG):パッティングの数値をプラスとし、その後「コラレスプンタカナ」最終ラウンドで「63」をマークし、優勝を果たした(同大会はSG:パッティングのスタッツ集計対象外)。

「信じられないようなパッティングの週を送れる兆しを目の当たりにした。ラウンド単位ではなく、週単位のね。とにかく素晴らしいパッティングができた大会だった。グリーン上では安心していられたし、ラインも良く読めていて、どれくらい強く打つべきか、ということを気にする必要がないくらいスピード(タッチ)も合っていたので、単に自分のラインに集中してパットを打てば良いだけだったんだ」

「コラレスプンタカナ」のコースは選手に多くのスコアメイクするチャンスを与えるコースだ。ホ―シェルは大会序盤からその特性を味方につけ、特に最終ラウンドにその利を最大限に活かした。日曜の9アンダー「63」は最終ラウンドでは大会記録であり、通算23アンダーも大会新記録だった。

ホーシェルは、2023年から今年の初めにかけて使用していたブレード型のパターでは、10~15フィート(約3~4.5メートル)以内のパットを多く外し過ぎていたのでマレット型に回帰したと述べた。

「マレット型の方が、少し寛容性が高いからね。そろそろ(マレット型に)戻す頃合いかなと感じたんだ。もう少し一貫性が上がってくれれば、と思ってね」。

古いパターへの回帰は、ホーシェルの望むセットアップ位置で構えることもアシストした。彼はパターのシャフトがより垂直になり、パターのヒールが地面から浮いている状態を好むのである。

ホーシェルはSG:パッティング21位だった2022年を自身にとって最高のシーズンの一つとした。同年、かつてのフェデックスカップ王者である彼は、再び「ツアー選手権」出場を果たしただけでなく、米国選抜が優勝した「プレジデンツカップ」で、プロとして初めて米国を代表してプレーしたのである。

ホーシェルは最近、「これは以前に成功を収めていたパターなんだ。そのフィーリングや、見た感じは、知っているわけだからね。これでパットを沈め、成功してきたことを知っているので、安心感のクオリティが違うんだよ」と述べている。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)

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