オカムラ食品工業(青森県)、むつ市脇野沢でもサーモン養殖事業へ 九艘泊沖に直径50mいけす

 今別、深浦、外ケ浜3町でサーモンの養殖事業を手がける青森市のオカムラ食品工業(岡村恒一社長)は26日までに、むつ市脇野沢九艘泊沖で新たにサーモンの養殖事業を始める方針を発表した。同社の子会社「日本サーモンファーム」(深浦町)が25日、脇野沢村漁協の准組合員に加入した。今後さらに必要な手続きを経て11月ごろに養殖を開始し、2025年6月の水揚げを目指す。

 県と日本サーモンファームはむつ市と脇野沢村漁協の協力を得て、22年11月からむつ市の漁港で試験養殖を進めてきた。海で養殖を営むためには知事が各漁協や市町村などに与える「区画漁業権」が必要となる。県は事業の採算性が見込めると判断し、脇野沢村漁協は4月1日付で権利を取得した。

 区画漁業権を行使するには組合員となる必要があるため、脇野沢村漁協は25日の理事会で日本サーモンファームの准組合員加入を承認。今後同社は区画漁業権行使の承認を受けられれば、事業所を開設し、直径50メートルの円形いけすを設置して養殖を開始する。年間最大4800トンの水揚げ量を見込む。

 日本サーモンファームは17年設立。これまで今別沖、三厩沖でも養殖を始めるなど事業を拡大し続けている。現在は北海道の知内町でも試験養殖を行っている。

 同社の担当者は「脇野沢で養殖事業を始めるための第一歩がクリアできた。今後さらに必要な手続きはあるが、水産業と地域活性化に向け事業を進めていきたい」と話した。

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