住宅ローンの終了時、夫は71歳。繰り上げ返済したほうがいい?FP直伝の住宅ローンの返済総額を減らすテク

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住宅ローンの終了時夫は71歳!繰り上げ返済を目指してコツコツ家計を見直しています。家を買ったあとにやったことを教えてもらいました。また、FP直伝の住宅ローンの返済総額を減らすテクも必見です!

住宅ローンの終了時夫は71歳!子どもの独立後、繰り上げ返済しようと計画中です

8年前、家計診断を受けたとき、ライフプランを作成。夫が71歳まで住宅ローンが残るという現実を目の当たりにし、本気で家計改善に取り組みました。「ムダな支出を徹底的に見直し、収入も増やして、今は年200万円ペースで貯蓄できるように。住宅ローンの超低金利が続いている間は貯蓄を殖やすことを優先し、子どもが独立したころに繰り上げ返済をしようと考えています」。

<教えてくれた人>
『サンキュ!』読者 藤田舞さん(仮名)(東京都 46歳)
夫(55歳)、長女(12歳)、長男(9歳)の4人家族。パート勤務。16年に『サンキュ!』誌面で家計診断をしたのを機に、赤字家計を立て直し、貯蓄ペースがアップ!

◎MONEY DATA◎
世帯月収(手取り)49万円
世帯年収(手取り)810万円
年貯蓄額 約200万円
総貯蓄額 1700万円

●HOUSE DATA
分譲マンション(3LDK・70平米)/築28年/購入年月:06年4月(購入時 築10年)

〈住宅ローン〉
頭金:100万円
借入金:2600万円
返済期間:35年
金利のタイプ:公庫・長期固定型、銀行・変動金利型
借入当初の金利:公庫・2.28%、銀行・1.88%
借り換え後の金利:0.807%
月々の返済額:7万2000円
ボーナス時返済額:なし
借入額残債:1360万円(残り16年)

●ライフプラン表で、ローン返済の目標を確認
晩産家庭のため、夫が60歳のとき、長女が高2。「まずは教育資金をしっかり備えて、子どもの大学入学以降で、住宅ローンの返済プランをシミュレーションしています」。

●住宅ローン借り換えで月返済額が約2万円減

家計診断のときのアドバイスを元に、固定金利のローンを変動金利に借り換え。「住宅ローンの月の返済額が約2万円も減らせ、負担がかなり軽くなりました」。

●固定費の見直しで月約3万円減

「駐車場を月2000円安い所に換えたり、格安スマホに乗り換えたり、保険を見直したりと、コツコツムダな支出を削減。家計に余裕が出た分、貯蓄を殖やせました」。

住宅ローンの返済総額を減らすテク

繰り上げ返済したほうがお得になる人や、繰り上げ返済よりも返済期間や利息を減らすテクを、畠中さんに教えてもらいました。

<教えてくれた人>
ファイナンシャル·プランナー 畠中雅子さん
住宅ローン、教育費、老後資金など、幅広いお金の情報をわかりやすく解説。著書に『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)など多数。

年収によっては、繰り上げ返済したほうが住宅ローン控除よりお得

22年の税制改革で、住宅ローン減税の控除率が1%から0.7%に引き下げ。さらに、控除額が所得税から控除しきれない場合は住民税から控除ができますが、前年度課税所得×5%、最大9万7500円まで。「妻が扶養で年収500万円以下くらいの世帯は、住宅ローン控除のメリットが少ないので、住宅ローン減税の適用期間を気にせず、繰り上げ返済したほうがお得!」。

●住宅ローン控除での減税例
※配偶者控除を受けられる妻がいて、年間10万円の生命保険料を支払っている人の試算例

★年末のローン残高3000万円の場合
住宅ローン控除額の目安は21万円

【年収500万円の場合】
所得税9万7000円/住民税20万3000円 → 住民税の減税は9万7500円まで
住宅ローン控除のメリットが少ない

【年収700万円の場合】
所得税23万1000円/住民税33万8000円 → 所得税減税は21万円

繰り上げ返済資金を貯めるより、今の返済額にちょい足しすれば返済期間が短縮!

繰り上げ返済用に積み立てして、何十万円か貯まったらしようと思っていると長い期間がかかります。

「大金が貯まるのを待たなくても、住宅ローンの月々の返済額をちょっと増やしたり、ボーナス払いを追加するだけで、返済期間を短縮できる効果が!また、固定金利に借り換えする場合は手数料や手間がかかりますが、返済額の増額なら手続きも簡単です」。

毎月の返済額&ボーナス払いの額をちょい足しするだけでこれだけ変わる!

変動金利から、固定金利に換えるより、こちらのほうが得

※紹介している情報は、24年2月27日現在のものです。

参照:『サンキュ!』2024年5月号「家を買ってからかかるお金を軽くする方法」より。掲載している情報は2024年3月現在のものです。撮影/大森忠明 構成・文/宮原元美 編集/サンキュ!編集部

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