避難中のウクライナ人美術家、京都府舞鶴市で作品展 市内の風景描き「離れた家族に幸せ伝える」

作品に込めた思いについて語るユリヤ・ボンダレンコさん(舞鶴市森・アートスペース973)

 ロシアの侵攻を受けて京都市に避難しているウクライナ人の美術家ユリヤ・ボンダレンコさん(32)の作品展が26日、京都府舞鶴市森のアートスペース973で始まった。舞鶴の風景などを描いた作品10点が並んでいる。5月2日まで。

 ボンダレンコさんは北部のチェルニヒウ市出身。侵攻開始から約半年後の2022年8月に京都市へ避難し、日本語学校に通いながら展覧会を開くなど精力的に活動している。

 会場には五老岳から見た舞鶴湾や赤れんがパークなどをモチーフにアクリル絵の具や万年筆で描いた絵画が並び、紙粘土などを用いた立体的な作品もある。昨年10月にアートスペースを運営する馬場英男さん(78)の案内で市内を巡り創作のイメージを膨らませた。

 ボンダレンコさんは「制作することは自分自身の心の回復を図ること。展示することで離れて暮らす家族にも自分が日本で幸せに暮らしていると伝えることができる」と話す。

 午前10時~午後5時(最終日は午後2時)。入場無料。28、29両日の午後1時半からはボンダレンコさんの講演会がある。

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