「私は教授です」デモ現場で教員を警察官2人が地面に押さえつける動画が拡散 アメリカ

米ジョージア州のエモリー大学で、ガザ攻撃に抗議するデモの参加者たち
(2024年4月25日撮影)

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(※この記事には、デモ活動の現場で撮影された暴力的な動画が含まれます)

イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に抗議するデモが、アメリカ各地に広がっている。デモに参加した多数の学生らが警察に逮捕されている。

拘束されたのは学生だけではない。大学の敷地内で教員らが警察によって取り押さえられる動画が、SNS上で拡散されている。

CNNは、取材班がアメリカ・ジョージア州のエモリー大学のキャロライン・フォーリン教授(経済学)と哲学科のノエル・マカフィー教授がアトランタ警察に拘束された場面を目撃したと報じている

当時、フォーリン氏が学生に対する警察の暴力的な逮捕行為や武力行使に懸念を表明している声が聞こえたという。

現場を捉えた動画には、デモ参加者を取り押さえている集団に近寄り、「何をしているのか」と声を掛けたフォーリン氏とみられる人物が、制服警察官に腕を掴まれて地面に倒される様子が映されている。拘束時の衝撃で、フォーリン氏が頭にかけていた眼鏡は地面に飛ばされた。

フォーリン氏は「Oh my god!」と何度も叫び、ひどく動揺していることがわかる。さらに、近くを通りかかった別の制服警察官が教授を力づくで押さえつけ、後ろ手にして手錠をかけた。

「私は教授です」とフォーリン氏が訴える声や、警察の行為に対し「恥を知れ!」と抗議する声も記録されている。

別の動画には、警察に連行されるマカフィー氏に「何かできることはありますか」と尋ねる質問に対し、「哲学科に電話をしてもらえますか。逮捕されたことを伝えてください」「私はノエル・マカフィーです。哲学科長です」と求め、撮影者が「わかりました」と応じる様子が捉えられていた。

アメリカ各地に広がっているデモで、参加者たちは大学に対して、ジェノサイドに加担しないことや、ガザ攻撃を支える兵器の製造や軍需産業に関わるイスラエル企業への多額の寄付金の投資をやめることなどを要求している

ガザ地区では、2023年10月7日にハマスとイスラエルの武力衝突が起きてから、イスラエルの攻撃により3万4000人以上の市民が殺害されたと報告されている

パレスチナ保健当局の推計によると、殺害された犠牲者のうち約7割を女性と子どもが占め、死亡した子どもは1万4000人を超えているという。

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