<新戦力-駅伝実業団の精鋭たち-長崎県>三菱重工 守屋和希(関学大)/杉彩文海(明大)

1万メートルで28分30秒前後の記録を持つ杉(左)と守屋=長崎市、ベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場

 国内屈指の駅伝強豪チームに成長した三菱重工には、大卒2人が仲間入りした。松村康平監督は「面白い2人が入ってきた。1年目から駅伝を走れる素質はある」と期待している。どちらも、ゆくゆくはマラソン挑戦を希望している。
 明大から入部してきた杉彩文海(さふみ)(22)は福岡県生まれ、鳥栖工高(佐賀)出身。大学では3年時の箱根駅伝7区で区間賞に輝き、4年時の関東学生対校選手権ハーフマラソンで4位の好成績を残している。「地元九州に戻って競技を続けたかった。マラソンをやるとなれば、ここが一番。早く全日本実業団駅伝(ニューイヤー)に出てチームの力になりたい」と実直そうな表情を一段と引き締める。
 守屋和希(22)の経歴は一風変わっており、西宮高(兵庫)時代まで目立った実績がなく、インターハイ戦線も県予選で敗退。一般入試で進んだ関学大で頭角を現した。コロナ禍が始まった直後の入学。自粛期間中に実家近くをこつこつと走って力を養い、3年時に1万メートルで28分30秒46をマークするまでに成長した。新社会人になるにあたって「競技を第一に、社業の方もしっかりやっていく」と誓っている。
 2月下旬の入寮からまもなく2カ月。朝練の集団走でアップダウンの激しい山間地を走る日々を通じて、三菱重工が安定して好成績を残せる理由が分かってきたという。杉は「まとまりが良くて、きつい練習をチームで乗り越える雰囲気がある」、守屋は「同い年の林田(洋翔)やコリルに負けてられない」とチームメートに大きな刺激をもらっている。
 力強さと粘り強さが魅力の杉、軽快にピッチを刻む守屋。見た目も走りも両極端な2人だが、長距離適性が高い点は共通している。若手選手の台頭が続くチームの中で存在感を示すことができるかが注目される。

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