阪神 今季日本最遅?大竹が投じた79キロスローカーブにサンタナ苦笑いでファウル 直後に144キロ 緩急差に甲子園どよめく

 7回、サンタナは大竹のスローボールをファールし苦笑い(捕手・坂本)=撮影・山口登

 「阪神5-4ヤクルト」(27日、甲子園球場)

 阪神の大竹耕太郎投手が七回1死からサンタナに対し、79キロのスローカーブを投じて甲子園をどよめかせた。ただこの回、3連打を浴びて1死満塁となったところで降板となった。

 カウント1ストライクからの2球目だ。ゆったりしたフォームから投じられたスローカーブは球場のスピードガン表示で79キロを計測。サンタナは食らいついていったが、ファウルとなって思わず苦笑い。直後、アウトローに144キロのストレートがズバッと決まったが、真鍋球審の右腕はあがらなかった。

 その後、右翼線にポトリと落ちる安打を浴び、失点した二回以降、初めて走者を許した大竹。その打球もサンタナはファウルと勘違いしたのか、打席から出て走っておらず、フェアの判定に猛ダッシュで一塁に到達。岡田監督がライン上の打球の判定に対してリクエストを行使したが、覆らずヒットとなった。

 続く山田、長岡にも連打を浴び、1死満塁のピンチを招いたところで岡田監督は交代を告げた。後を受けた桐敷は中村を空振り三振に仕留めた。2死満塁から代打・青木にフルカウントから押し出し四球を与えてしまったが、赤羽を直球で空振り三振。見事にリードを守ってピンチを脱し、大竹はベンチで脱帽し後輩左腕を出迎えていた。

 七回途中3失点でリーグトップタイの3勝目を挙げた大竹。スローカーブについては「岡田監督からも前回、もっと緩急を使って行けと言われたので」と説明した。「私事ですが、明日が結婚記念日ですので」とお立ち台で突然激白してスタンドをどよめかせた左腕。投球術でもヤクルトの助っ人を驚かせてみせた。

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