娘が結婚を考えている30代の彼。正社員ではなく、年収「200万円」以下のようですが、生活していけるのでしょうか…?

30代男性の無業者の割合

総務省統計局が発表した「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)」によると、無業者の割合は表1の通りです。

表1

※総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」を基に筆者作成

若年無業者(15~34歳)数は2022年平均で57万人と、2021年に比べ1万人減少していますが、35~44歳無業者数は、2022年平均で36万人の結果となり2021年と同数でした。
この結果から、無業者の平均年齢は上がってきているといえるでしょう。

非正社員の平均賃金

続いて、正社員ではなくパートタイム(以下パート)やアルバイトとして働いている方の平均賃金を見てみましょう。

厚生労働省の「令和4年 賃金構造基本統計調査」によると、正雇用されておらずパートやアルバイトで働いている30代男性の平均賃金(月額)は、表2の通りです。

表2

※厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」を基に筆者作成

表2の月給を単純に12ヶ月分として年収を算出すると、パート・アルバイトの場合は30~34歳で約281万、35~39歳では約280万円であることが分かります。
対して正社員の場合は、30〜34歳で約362万円、35〜39歳で約410万円です。
この結果から、正社員として働いていなければ同年代より平均年収が100万円前後低い結果となりました。

30代夫婦の平均の生活費

総務省統計局の「総務省統計局 家計調査報告 (家計収支編)2022年」によると、30代夫婦の1ヶ月当たりの平均支出額は、29万865円とのことです。
男性が正社員として働かず、アルバイトやパートのみの収入では35~39歳の場合月収23万3300円となるため平均支出額にも届きません。
そのため、平均支出額を賄うためには妻が働いてあと6万円以上は稼ぐ必要があります。
また、夫婦だけでなく子どもが増えた場合はさらに支出は増えます。

生活に必要不可欠な食料品を中心に今後も値上げが予定されていることから、さらに支出額は大きくなると予想できるでしょう。

30代男性で200万円以下の年収では生活は厳しくなる可能性が高い

正社員として働いていない30代男性の平均年収は、280万円ほど(平均賃金から算出)であることが分かりました。
二人以上の世帯における平均消費支出が約29万円なので、30代男性で200万円以下の年収では結婚した後も安定的な生活は難しい可能性があります。

結婚後に安定した生活を送るには、男性が正社員として職に就くか、夫婦共働きで少しでも年収を増やすことを検討する必要があるでしょう。

出典

[総務省統計局
労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約 4 非労働力人口 表15 若年無業者及び35~44歳無業者の数及び人口に占める割合の推移(17ページ)](https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/nen/ft/pdf/index1.pdf)
家計調査 (家計収支編)時系列データ(二人以上の世帯)2.用途分類:収入及び支出金額・名目増減率・実質増減率(月・四半期・年)二人以上の世帯 シート支出金額(年)2022年
厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査の概況 第6-1表 雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差(1ページ)
内閣府 物価の動向について 物価動向について(2) 消費者物価の今後の動向(2ページ)

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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