永瀬廉と高橋海人「キンプリドラマ」が視聴率を問われない寂しさ 「GP帯」STARTO社主演作は“2.5本”の逆風とリアル評価

永瀬廉、高橋海人(King&Prince) (C)ピンズバNEWS

King&Princeの永瀬廉(25)と高橋海人(25)は、4月クールに2人とも連続ドラマで主演を務めている。

永瀬が主演を務めるのは、直木賞作家・江國香織氏の同名小説が原作の『東京タワー』(テレビ朝日系/土曜日夜11時~)。永瀬演じる医大生・小島透が20歳上の人妻と《許されざる恋》に溺れていく、禁断のラブストーリーである。4月20日放送の初回視聴率は世帯3.6%。テレビ界が最重要視している13~49歳のコア視聴率は1.2%だった(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。

一方の高橋が主演を務めるのは、4月8日スタートの『95(きゅうごー)』(テレビ東京系/月曜日夜11時6分~)。早見和真氏の同名小説が原作の、1995年の青春をがむしゃらに生きた渋谷の高校生たちの物語である。高橋は地下鉄サリン事件を機に、人生が一変する高校生・広重秋久(通称『Q』)を演じている。『東京タワー』の初回と同週に放送された第2話(15日放送)は、世帯1.1%、コア0.3%だった。

「どちらも遅い時間帯の作品ですから視聴率は厳しくは見られませんが、『東京タワー』の方が視聴率や注目度は高めですね。23日には、『東京タワー』の見逃し配信再生数120万回を突破と発表された(ビデオリサーチにて算出/21日~22日)。これは同枠での歴代最速記録です。

ただ、俳優業も重視しているキンプリが視聴率が問われない枠で起用されている、というところは、少々寂しさも感じさせますよね」(民放キー局関係者)

■4月期はSTARTO社のタレント主演GP帯ドラマが3作のみ

キンプリは23年5月に平野紫耀(27)、神宮寺勇太(26)、岸優太(28)の3人が脱退し、事務所からも退所(岸のみ9月末退所)。脱退した3人はNumber_iとして音楽活動をメインに活動し、4月15日(日本時間)にはアメリカ・カリフォルニア州インディオで開催された世界最大級の野外音楽フェスティバル『Coachella Valley Music and Arts Festival(『コーチェラ』)』に出場。目標である世界デビューを夢も叶えた。

一方で、2人体制になったキンプリは俳優業に積極的に取り組んでいるが――。

「キンプリの2人は演技の評判も良いですが、事務所の現状を考えるとGP帯の主演は厳しいかもですよね。

旧ジャニーズは新会社STARTO ENTERTAINMENTの体制に移行していますが、まだまだジャニー喜多川氏(享年87)の加害問題による逆風は強い。ドラマに関しても、現在放送中の4月期ドラマでSTARTO社のタレントが主演のGP帯作品は3本だけです」(前出の民放キー局関係者)

今期、STARTO社のタレントが主演を務めているGP帯ドラマは3本。

4月3日スタートで井ノ原快彦(47)主演の『特捜9 season7』(テレビ朝日系/水曜夜9時~)、25日スタートで木村拓哉(51)主演の『Believeー君に架ける橋ー』(テレビ朝日系/木曜夜9時~)、27日スタートでSixTONES・森本慎太郎(26)主演の『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系/土曜夜10時~)の3本である。

「ただ、森本さんが主演を務めることになったのは、日テレにとって完全に予定外の出来事でもあります。4月の『土ドラ10』枠では “小学館の漫画原作のドラマ”が放送予定だったと公式に明言していますからね」(前同)

日テレは昨年10月クールに小学館の漫画原作のドラマ『セクシー田中さん』を放送したが、作者・芦原妃名子さんが“望まぬ原作改変”が大きな要因で1月29日に急逝。批判を受けた日テレは2月21日、『土ドラ10』枠はオリジナル脚本の作品に変更することを発表し、3月21日に発表されたのが森本主演の『街並み照らすヤツら』だった。

なお、当初ドラマ化予定だった“小学館の漫画原作”は西炯子氏の『たーたん』で、主演はムロツヨシ(48)だったと報じられている。

■永瀬は“爆死”以降2番手、高橋はGP帯の単独主演歴なし

前出の民放キー局関係者は続ける。

「『たーたん』が流れなければ、森本さんが主演をすることもなかったでしょう。それを考えると、4月期のSTARTO社のタレント主演作は2.5本といったところかもしれませんね。そして現在、キンプリの2人が、そんな事務所への逆風をはねのけて、GP帯ドラマでバンバン戦えるくらい数字を持っているかと聞かれると、少々心もとないところはありますよね……」

永瀬は22年7月期の『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』(日本テレビ系)で民放GP帯連ドラ初主演を飾ったが、視聴率は爆死。その後は広瀬すず(25)主演の『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系/23年1月期)、福山雅治(55)主演の『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系/23年4月期)、門脇麦(31)主演の『厨房のありす』(日本テレビ系/24年1月期)と、出演作は多いがすべて2番手以降の配役だった。

高橋は森本とダブル主演の『だが、情熱はある』(日本テレビ系/23年4月期)でGP帯主演の経験はあるが、単独でGP帯主演の経験はない。

「もちろん演技力を評価する声はあるし、『東京タワー』の見逃し配信の記録からも、キンプリには高い人気がある。ただ、STARTO社に強い逆風が吹いている現状、それを乗り越えてGP帯の主演を任される、というのは容易ではないし、事務所への逆風を無力化できるだけの強大なパワーを持っているかと言われたら、少々厳しいところはあるでしょうね。

少し遅い時間帯のドラマや映画、配信作品などで、徐々に結果を出していく必要がある――それが、現在のキンプリの2人のリアルな評価ではないでしょうか」(前同)

高橋は『だが情熱はある』で『ザテレビジョンドラマアカデミー賞』の主演男優賞を受賞。永瀬の『信長公記』は数字は悪かったが『日刊スポーツ・ドラマグランプリ 夏ドラマ』の主演男優賞を受賞している。両者のポテンシャルは間違いない。大きな飛躍の日まで、前へ進み続けるしかないのだろう。

© 株式会社双葉社