「これほど攻撃的なのはいつ以来だろう」アーセナル冨安健洋、チェルシー戦のプレーに英国人記者が驚き「積極的で素晴らしいパフォーマンス」【現地発】

4月23日、私はエミレーツスタジアムで開催されたプレミアリーグ第34節のアーセナル対チェルシーを取材した。

日本代表DFの冨安健洋が所属する首位のアーセナルは試合前、勝点74で並んでいるリバプールを得失点差で上回り、リーグ首位に立っていた。一方、9位のチェルシーは厳しい戦いが続いている。

これまで多くのタイトル争いをしてきた2つのビッグクラブによるロンドンダービーで、アーセナルが勝利すれば、両チームの間に30ポイントもの差がつくとは信じがたい。

私は中盤での攻防に注目していた。デクラン・ライスとエンソ・フェルナンデスのマッチアップだ。どちらも巨額の移籍金で加入した選手で、ライスは素晴らしいシーズンを送っており、年間最優秀選手の候補にも挙がっている。

一方、フェルナンデスは苦しんでいる。不振のチームの中にいて、個人のパフォーマンスを最大限に発揮できていないのが現状だ。今回のロンドンダービーでも、それがはっきりと表われていた。

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試合はアーセナルが開始4分にレアンドロ・トロサールのゴールでいきなり先制して、1-0で前半を終えた。

冨安健洋がリーグ戦で久しぶりに先発したのはとても良かった。7分にはニコラス・ジャクソンに悪質なチャージを受けたが、大事には至らずプレーを続けた。するとその数分後、クロスに頭で合わせて惜しいヘディングシュートを放った。

さらに23分には、味方と上手くパス交換しながら流れるような動きを見せて左サイドを突破。際どいクロスを供給した。彼がこれほど攻撃的なプレーを見せたのはいつ以来だろうか。 72分に交代するまで、積極的で素晴らしいパフォーマンスを見せていた。

アーセナルは後半、4点を奪うゴールラッシュを披露。そのまま5-0の圧勝を飾った。試合終了後、ガナーズファンは 「俺たちはリーグのトップだ!」と叫び続けていた。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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