神戸-京都でゴール前プレーに2度VAR判定、10分中断 神戸オフサイド→京都ハンド、大迫PKも無得点

 前半、神戸・大迫(中央)のシュートがネットを揺らしたがVAR検証でオフサイドに

 「明治安田J1、神戸0-1京都」(27日、ノエビアスタジアム神戸)

 連覇を目指す神戸が無得点で痛い敗戦を喫した。前半追加タイムで、3試合ぶりスタメン復帰のFW大迫がシュートを放った場面で2度にわたりVAR判定が行われ、プレーが約10分中断する事象が起きた。

 スローインからのセットプレー。こぼれ球を大迫が相手ゴールに蹴り込んだ。しかしVARでオフサイドと判定されノーゴールとなった。直後に同じシーンの中で京都MF松田天にハンドの可能性が生じ、審判は再びVARチェック。主審のオンフィールドレビューの結果、神戸がPKを獲得した。しかし大迫のPKは相手GKク・ユンソンに止められた。

 二転三転の末に神戸は無得点となったが、一連の流れは両チームにとって多少の影響もあったとみられる。勝利したものの、京都・曺貴裁監督は「ここでレフェリーのことを言うのはフェアじゃないので言いたくないが」と前置きしながらも、消化不良を感じていた。「まずはオフサイドの後ハンドというのはありえない。二つ目は、競り合った松田の手が自然な手(やむを得ず触った)じゃない限りは、どうやって(相手と)競ればいいのかと思う」と疑問を呈した。

 審判団から詳細な説明はなかったとし「VARのチェックが入った時にオフサイドで終わりと思っていたのがハンドを取られたことは、どうにもならないが、レフェリー委員会の審判団に確認して、VARでハンドとなったらハンドになっちゃうので、話すチャンスもないし、僕も不思議だった」とオフサイド判定後にその後のプレーにハンドが認定されたことに首をひねった。

 神戸・吉田監督は「スローインだったのでうちの選手が触っていなければオフサイドはないと思う。ラインは出ていないと思うが。ただその前に相手にハンドがあったということなのでハンドになるのかと。そのジャッジに関しては審判が決めることなので」と話した。ゴール前の競り合いで生じた微妙なプレー。両チームとも審判の判定に抗議することはなかったが、ふに落ちないものはあるようだった。

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