「レオのガリバー」の進撃が止まらない 西武ドラ6がイースタンで特大のプロ初アーチ

イースタン・DeNA戦で6回に右前打を放つ西武・村田怜音

◆イースタン・西武7―4DeNA(27日、カーミニーク)

西武のドラフト6位ルーキー、村田怜音内野手(22)=国学館大=が6番三塁で先発出場し、イースタン5戦目、8打席目でプロ初本塁打を放った。

1点を追う2回1死、DeNA先発の吉野が投じた147キロの高め直球に力負けせず、左中間方向にあるスコアボードを越える特大アーチを放った。196センチ、110キロの大柄な体格と大学通算25本塁打の長打力が持ち味で「レオのガリバー」などの異名を持つ大砲にとって待望の一発。「感触としてはほぼ完璧に近い」とうなずいた。

入団直後はプロの速い直球への対応に振り遅れていたが、春季キャンプのライブBP(実戦形式の打撃練習)で3年目左腕、羽田慎之介が投げる155キロ前後の直球などを体感し、少しずつ慣れてきた。

初アーチ後も四球を選んだ4回の第2打席に続き、6回の第3打席は143キロの外角直球に逆らわず右前打。イースタン初先発で4打数4安打した22日の楽天戦から合わせて6打数連続安打をマークした。8回に二ゴロ併殺打に倒れて連続安打は途切れ「打てる球はあったのでもったいない」と悔しがった。

25日にカーミニークで行われた3軍での練習試合でも1本塁打と2本の二塁打を含む5打数4安打1打点と大暴れ。この1週間で3試合し、12打数10安打と手が付けられない勢いになっている。日本ハム時代の中田翔(現巨人)の打撃フォームなどを参考にして右方向へ長打を打つ意識と最短距離でバットを出すフォームを固めようとしているのが功を奏している。

パ・リーグ最下位の西武は12球団ワーストのチーム打率2割5厘に低迷。打力不足が明確な課題となっているだけに、急成長中の22歳への期待は日に日に高まるばかりだ。もっとも本人は「1本打ったからと言って次も狙うと打撃が崩れるので、一喜一憂したくない。1打席ずつ新たな気持ちで臨み、自分のスイングがしっかりできる回数を増やせれば」と冷静に足元を見つめる。

本職の一塁ではなく、この日はプロ入り後初めて三塁を守った。大学時代から練習はしていたポジション。鋭い打球への反応や前へのチャージなどを見せて適応性の高さを示した一方で「スローイングにまだ不安がある」と課題を洗い出した。いつ1軍に呼ばれてもいいように、鍛錬と準備を重ねていく。(末継智章)

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