沖縄の書店員が選ぶ”今いちばん読んでほしい本”大賞に輝いたのは「リメンバリングオキナワ」

沖縄県内の書店員が”今いちばん読んで欲しい本”を選ぶ、沖縄書店大賞の授賞式が2024年4月23日に開かれた。毎年、郷土に関する書籍が多く出版される沖縄で、念願の大賞に輝いた写真家・岡本尚文さんを取材した。

大賞はリメンバリングオキナワ

沖縄書店大賞は、県内17の書店に勤める104人の書店員が「今いちばん読んで欲しい本」を選ぶもので、今年が10回目の開催となった。

このうち、沖縄部門で大賞に選ばれたのは、写真家・岡本尚文さんのリメンバリングオキナワ。

戦後の沖縄を記録した写真と同じ場所を、同じ構図で撮影し、過去と今を対比することで戦後復興からの歴史の移ろいを見ることができる。

授賞式で岡本尚文さんは「沖縄の戦後の歴史を写真や表現の中で伝える事ができないかという思いでずっとやってきた」「それを形にしたのが島建築、島料理、リメンバリングオキナワです」と喜びを語った。

岡本さんはこれまでも「沖縄島料理」や「沖縄島建築」で沖縄書店大賞の優秀賞や、準大賞を受賞していて、それらに続くシリーズの「リメンバリングオキナワ」で、念願の大賞受賞となった。

人の生活や生きた時間が沖縄全体の戦後の歴史に

リメンバリングオキナワでは、街並みの移り変わりだけでなく、人々の暮らしや営みも大きく変化してきたことが定点で捉えた写真に見ることができる。

岡本尚文さん:
ひとりの人の生活、生きた時間というものが実は、沖縄全体の戦後の歴史になってくるという事をまず大事にしたい。できるだけ多くの皆さんに、記憶の扉を叩くというか、自分自身の生活の歴史に気付いてもらうことを一つの目標として作っています

また、準大賞には、沖縄テレビで毎週金曜日に放送している「アゲアゲめし」の公式ガイドブックが選ばれ、そのほかの部門では全国的にも話題となった黒柳徹子さんの「続・窓ぎわのトットちゃん」や、鈴木のりたけさんの、「大ピンチずかん2」が大賞に選ばれた。

本屋大賞の実行委員会は、「素晴らしい本を求めて書店に足を運んでもらい、もっと本に親しみを持ってほしい」とコメントしている。

(沖縄テレビ)

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