【新日本】貪夫徇財オーカーン 上村優也に敗れKOPW陥落…再生すべきは地方よりも自分自身だったことが判明

上村優也に敗れ、無様にもKOPWを手放したオーカーン

新日本プロレス27日広島大会で、KOPW保持者のグレート―O―カーンが上村優也(29)との争奪戦で歴史的大敗を喫し、分不相応なタイトルをようやく手放した。

KOPW争奪戦は基本的に双方が提案したルールのうち、ファン投票で多数を獲得した方が採用される。この日はオーカーン提案の「地方再生マッチ~広島編~」で行われた。これは無制限3ラウンド制で、2ラウンド先取した方が勝者。1ラウンド目はマツダ車で使用しているタイヤをリング上で4つ積み上げた方が勝利、2ラウンド目は広島レモンの早食い対決、3ラウンド目は相手をテーブルにクラッシュさせた方が勝利するノーDQテーブルクラッシュマッチというものだ。

この際だから言わせてもらうが、まずこんな複雑なルールにした時点でプロレスに興味のない人は脱落し、この記事もここまで読んでくれていないはずだ。またマツダだろうがトヨタだろうが日産だろうが、タイヤは各タイヤメーカーのものを使用しているため、地方再生もへったくれもない。運転免許を持っていないオーカーンのことだから、おおかたマツダ車にはマツダ車のタイヤがあると勘違いしていたのだろう。

1ラウンド目は事実上タイヤを公認凶器とした技の掛け合いとなったため、プロレスIQが著しく低いオーカーンに勝ち目などない。案の定、上村が先に4つを積み上げてラウンドを奪われる。 しかし、第2ラウンド、広島レモンの早食いとなればオーカーンの土俵だ。各会場で毎回余った弁当を大量に持ち帰るなど、食べ物に対する異様な卑しさは有名。レモンがリングに運ばれてくると、その顔には「慌てるな、心と胃袋がつんのめってるぞ、俺!」と書いてあった。強い酸味に悶絶する上村を横目に「うおォン俺はまるで人間火力発電所だ」とばかりに一気食いして、このラウンドをものにした。

そして迎えた最終ラウンドでは、タイヤを積んだりレモンを食っていたのは一体何だったのか、我々は一体何を見させられていたのだろうかと、ハッとさせられる濃密なプロレスの攻防が展開される。会場も「ほーいいじゃないか。こういうのでいいんだよ、こういうので」といった空気になったが、こうなったらこうなったで、やはりオーカーンに勝ち目はない。最後はコーナーに立てかけられたテーブルにカンヌキスープレックスで叩きつけられて万事休す。スピード、テクニック、ルックス、将来性、高潔さ、すべてにおいて完敗だった。

高潔さで思い出したが、オーカーンほどカネに汚いレスラーはなかなかいない。新世代を担うあるレスラーによれば、オーカーンは3月の地方大会でも醜態をさらしていたという。

事件が起きたのは大会終了後、関係者との食事会の終盤だった。日本酒を飲んで気が大きくなったオーカーンは、別の個室にファンがいることに気付くと自ら接近。ファン心理につけ込み、目先のカネ欲しさに自身が着用していたTシャツとジャケットの即売会を開催し始めたという。そして着るものがなくなると、まだ寒さの残る長岡の夜に上裸でホテルまで帰ったというのだから、人間として大事なものがいろいろと欠落しているとしか思えない。

バックステージで「上村…今日だけは貴様の方が強かった。じゃが、貴様の力じゃ、思想なんかじゃ新時代はひらけない」と負け惜しみを述べる光景も、もはや見飽きた感がある。

「こんなんでも、KOPWがIWGPを超えられる可能性があるって、プライド持ってやってるんだよ。もがいてる姿がおかしければ笑えよ。笑うってことは楽しんだってことだろ」と、笑わせていることと笑われていることの区別もつかない様子。結局のところ、再生するべきは地方ではなく、オーカーン自身だったということが満天下に示された広島決戦だった。

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