衆院補選 島根1区 舌戦に幕、一票に命運 錦織候補「政治改革 先頭に立つ」 亀井候補「島根から政治変えて」 

(届け出順に右から)錦織功政候補、亀井亜紀子候補

 衆院島根1区補選は27日、12日間の舌戦を終えた。立候補した自民党新人、立憲民主党元職の2人は選挙戦最終日も街頭に立って主張を訴え、有権者と握手し、選挙カーから手を振り、最後まで支持を求めた。3補選で唯一の与野党対決となり、岸田政権の命運を左右する戦いの行方は有権者が投じる1票に託される。届け出順に27日の様子を紹介する。

▽錦織功政候補 55歳(自民、新)

 錦織功政候補は午前10時半、安来市内のショッピングセンター前で街頭演説を開始。その後、松江市内を回り、財務省など30年間の行政経験を生かして国とのつなぎ役を担うと訴えた。

 学生時代に合唱部で鍛えた喉はつぶれ、色白だった顔は連日の街頭演説で赤黒く日焼け。松江市八幡町の武内神社前の演説では鬼気迫る表情で「全身全霊を傾けて選挙戦を繰り広げた証しだ」と胸を張った。

 自民派閥の政治資金パーティー裏金事件で逆風を受ける中、終盤戦に政治改革の主張を「先頭に立つ」と踏み込んだ。公共事業の推進や中小企業の後継者確保などの政策を挙げ、「人口減少に対し、政策を打って打って、打ち続けると約束する」と力を込めた。

 合言葉は「逆転の錦織」。岸田文雄首相も、国会議員も、司会も皆が連呼した。最終演説は松江市中原町の松江しんじ湖温泉駅前で約900人を集め、「残りの生涯を全てささげて古里の発展のために誠心誠意働く。どうか、私に仕事をするチャンスを与えてほしい」と声を振り絞った。

▽亀井亜紀子候補 58歳(立民、元)

 亀井亜紀子候補は午前8時、松江市玉湯町内のコンビニエンスストア前から最終日の遊説を開始。大票田・松江市のスーパー前やメーデー会場などを回って「必ず投票に行ってほしい」と繰り返した。

 市内の8団地では各団地で選挙カーを止め、ミニ演説会を急きょ開催。玄関から出てくる人や窓越しに手を振る人もおり、イメージカラーのオレンジ色のランニングシューズで駆け寄って一人一人の手を握った。

 街頭では、立憲民主党の辻元清美代表代行や連合島根、国民民主党県連の幹部と並び、少子化対策の財源を公的医療保険料に上乗せして徴収する「子ども・子育て支援金」は実質的な増税と批判。「政治を変えるチャンスが島根1区の住民にだけある」と訴えた。

 松江市殿町の島根県庁前での最終演説では、オレンジ色のバルーンスティックを打ち鳴らして応援する約400人を前に「古い政治を一掃し、増税を止め、自民王国の島根から皆さんの力で政治を変えて。最後まで私と一緒に戦って」と声を張り上げた。

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