脱毛男子ブームの裏で…「永久保証」「通い放題」…店側の説明うのみにしないで トラブル増加中「身の丈にあった契約を」

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 鹿児島県内で男性向けの脱毛店が増えている。性別にとらわれない美容の選択に加え、ひげそりの手間が省ける生活の質(QOL)向上や将来的な介護を見据えた配慮など多様な理由で需要が高まっているようだ。一方、脱毛エステに関する相談も増えており、県消費生活センターは「店側の説明をうのみにせず、身の丈に合った契約を」と注意を呼びかける。

 鹿児島県内の会社員男性(23)は昨秋、ユーチューブで「脱毛無料」という広告を見て、鹿児島市の脱毛店を訪れた。しかし、男性は無料となるさまざまな条件を満たしていなかった。条件は広告にも小さな文字で記されていたようだが気付かなかった。脱毛はしたかったので、店員の勧めで通常プランを契約。月1万円で月1回の施術が数年続き、総額は数十万円だった。

 友人に話すと「高い」と言われた。「月々の支払いは予算内だし、一度はしょうがないと思ったけれど、都合が悪くて施術に行けなくても月1万円を支払うのはもったいない」と考え直し、契約を解除した。

 県消費生活センターと大島消費生活相談所に寄せられた脱毛エステに関する相談(30代以下)は2021年度の14件から22年度は65件に増えた。22年度は店舗の倒産があり、中途解約の相談が多かったという。男女比は発表していないが、男性からの相談も寄せられている。

 県消費生活センターの三反田みどり所長は「美容医療は将来に向かってのサービスであることが特徴だ」と指摘する。脱毛エステも永久保証や通い放題といった長期間の施術に関する契約トラブルが多い。「店側の説明をうのみにせず、身の丈に合った契約を。長期契約が不安なときは都度払いを選択してほしい」と助言した。

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