GW、県内観光地に人出 チューリップフェア2万7000人

チューリップの彩りを楽しむ行楽客=砺波市の砺波チューリップ公園

 最大10連休のゴールデンウイークが27日始まり、富山県内の観光地が人であふれた。コロナ禍の収束や北陸新幹線敦賀延伸、円安などで、富山を訪れる国内外客の動きは活発化。観光地や宿泊施設の関係者は、前年超えのにぎわいを願う。

  ●開幕後初の週末で今季最多

 砺波市の砺波チューリップ公園で開催中の「2024となみチューリップフェア」(富山新聞社後援)は、開幕から初の週末を迎え、今季最多の2万7千人が来場した。

 開門前から400~500人が行列をつくり、目玉の「花の大谷」や、花壇の間を走る北陸新幹線とSLのミニ列車運行が人気を集めた。運営本部によると、9割咲きで、28日の満開を見込む。東京から訪れた光田秀美さん(33)は「すごくきれいで期待通り。この後、富山の楽しいところを回りたい」と笑顔を見せた。

 能登半島地震で大きな被害を受けた氷見市には多くの行楽客が訪れ、観光関係者の間では震災で落ち込んだ地域経済の活性化へ期待が広がっている。観光施設「ひみ番屋街」には県内外の家族連れらが詰め掛け、大阪府から家族6人で訪れた西田麻奈実さん(30)は「買い物で少しでも復興に役立ちたい」と話した。

 運営会社によると、人出は普段の土曜より多く、担当者は「被災地を応援しようと訪れてくれる人が増えている」と喜んだ。

 黒部市宇奈月温泉は立山黒部アルペンルート全線開通以降、台湾、韓国などアジア圏の団体客が増えている。アジアのほか、欧米など幅広い国からの個人や小グループ客も目立つ。

 富山駅は大きな荷物を手にした行楽客で活気づいた。北陸新幹線を利用して富山に来た兵庫県の吉原勲さん(81)は「延伸したので乗ってみたかった」と言い、宿泊先の宇奈月温泉に向かった。

 JR西日本金沢支社によると、27日午後4時現在の自由席乗車率は東京発敦賀行きの北陸新幹線2本が100%となった。

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